現代的なメインフレームコンピュータの開発に貢献したIBMのコンピュータ科学者Bob Evansが米国時間2日に死去した。77歳だった。
同氏は心不全のためサンフランシスコ郊外の自宅で亡くなったことを、 息子のRobert Evansが明らかにした。
同氏はアイオワ州立大学で電気工学の学士号を取得した後、1951年にIBMに入社。33年後の退職時には、同氏はエンジニアリング/プログラミング/テクノロジー担当バイスプレジデントを務めていた。
Evansは1960年代に、異なる種類のアプリケーションを同時に実行可能な新しいタイプのメインフレームコンピュータ「System/360(S/360)」の開発を指揮した。IBMは当時、年間売上が32億ドルだったにも関わらず、このプロジェクトに50億ドルもの資金を投入した。
IBMは今年4月にメインフレーム誕生40周年を記念した祝典を開催したが、その少し前に同社のzSeries製品担当ディレクターColette Martinは、CNET News.comに対して、「S/360が登場する前は、どのコンピュータも独自のシステムとして存在していた。すべてのコンピュータがオーダーメイドで、それぞれの間に互換性はなかった。また、それまでのコンピュータは、単一のアプリケーションを動かすためのシステムだった」と述べた。
S/360で採用されたアーキテクチャは、今もIBMのメインフレームで受け継がれている。
1985年にRonald Reagan大統領は、同プロジェクトにおける功績をたたえて、EvansにNational Medal of Technologyを表彰した。また同氏は1991年には、米電気電子技術者協会(IEEE)Computer SocietyのComputer Pioneer Awardを受賞している。
同氏は1981年から1995年の間、台湾政府のチーフサイエンスアドバイザーを務め、その後、同国でVanguard International Semiconductor Corpの立ち上げに携わった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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