海賊版防止へ、国産コンテンツの「純正品」マークが登場

永井美智子(CNET Japan編集部)2004年09月03日 11時44分

 音楽やゲーム、キャラクターといった国産コンテンツの海賊版を取り締まるため、業界標準の「純正品」マークが登場した。

 コンテンツ海外流通促進機構(CODA)は9月2日、コンテンツに付与することで本物だと証明できる「コンテンツ海外流通マーク」を作成し、報道陣に公開した。国内のコンテンツ関連企業はCODAの会員/非会員にかかわらず自由に利用できる。年内にもライセンスを始める予定だ。

 CODAは海外における国産コンテンツの流通促進と海賊版対策を目的に、文化庁と経済産業省の呼びかけによって2002年8月2日に設立された民間組織。音楽出版社協会や日本映画製作者協会、コンピュータソフトウェア著作権協会など19団体20社が参加している。

コンテンツ海外流通促進機構代表の角川歴彦氏と「コンテンツ海外流通マーク」

 これまで海賊版を摘発する際には、各企業が個々の商品に対して鑑定し、海賊版であると証明しなくてはならず、企業の負担が重かった。また、摘発までに時間がかかっていた。CODAはコンテンツ海外流通マーク自体を商標登録し、同マークの商標権を使って違法コピーを取り締まる。8月27日に中国、香港、韓国、台湾、米国、EU諸国において商標登録出願を行っており、今後は東欧や中南米でも出願する予定だ。

 コンテンツ海外流通マークはCDやDVD、ゲームソフトのほか、オンラインコンテンツや書籍、玩具などにも付与することができる。

 各出願国でマークが商標登録されるのは来年以降になると見られるが、CODAでは年内にも運用方針を策定し、コンテンツホルダに配布していく。マークの普及を促すため、当面の間ライセンス料は無料にする考えだという。

海賊版ゲームの例

 コンテンツ海外流通促進機構代表の角川歴彦氏は「各企業が海賊版に対して実証責任を負う形では、海賊版の摘発はむずかしかった。海賊版製造業者に対し、共同で働きかけていく手段ができたという点で大きな前進だ。海賊版の撲滅という遠大な計画に対する第一歩として、日本の取り組みを示せた」と自信を見せた。

 今後は偽造したマークを添付した海賊版の登場も予想されるが、コンテンツ海外流通促進機構 企画委員を務める日本映像ソフト協会 業務部 部長代理 兼 法務課 課長の後藤健郎氏は「まずはマークを付けていない明らかな海賊版を駆逐したい」と話す。マークの偽造防止措置については、ホログラムや特殊インクの採用などいくつかの手法を検討しているという。

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