英国の映画テレビ芸術アカデミー(BAFTA)は、各種の賞の選考メンバーに不正コピー防止機能付きのDVDプレイヤーを配布し、出品作品が違法に出回るのを食い止めることにした。
Dolby Laboratoriesの子会社であるCineaは、同アカデミーにSV300 というDVDプレイヤーを供給する契約を結んだことを今週発表した。BAFTAは来年2月12日に行われるオレンジ英国映画賞参加作品を選考するメンバーに同プレイヤーを配布することになっている。
同社によると、SV300は、S-ViewというCineaのセキュリティーシステムを使って作成された暗号処理済みのディスクを再生できるという。このセキュリティーシステムにより、映画やテレビのプロデューサーは、制作段階とポストプロダクション段階における作品の違法コピーを防止できるようになる。保護されたコンテンツにアクセスできるのは、権限を有する特定の人物だけで、また暗号化されたディスクを大量に作成できる。SV300プレイヤーには1台ずつアドレスを割り振ることが可能で、海賊版を追跡できるようになっている。
エンターテインメント業界では、さまざまな賞を審査するために選考メンバーや審査員に届けられる映画の不正コピーをいかに防止するかが、最近の大きな課題となってきている。一昨年には、全米映画協会(MPAA)が海賊行為を防ぐ目的で、オスカー選考メンバーにDVDの発送を禁止すると提案し大騒ぎになったことがあった。MPAAはDVD複製ソフトに関連した問題に取り組んでいる一方、複数の業界団体が一体となってDVDのコピー保護標準を開発しようとしている。
ロンドンに本部がある同アカデミーには6000人以上の会員がおり、スコットランド、ウェールズ、ロサンゼルスとニューヨークに支部がある。
なお、アカデミー賞を主催する映画芸術科学協会(AMPAS)も、会員に対して不正コピー防止機能付きのDVDプレイヤーを配布するというCineaの計画を支持している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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