警視庁生活安全特別捜査隊と荻窪署は7月7日、インターネットを通じて「機動戦士ガンダム」シリーズなどアニメーションDVDの海賊版を販売していた中国人男性3名を、著作権法違反の疑いで逮捕した。
問題となる海賊版DVDは日本語の音声に英語と中国語の字幕が付けられており、パッケージや印刷された業者名などから、香港で違法に複製、製造されたものが国内に持ち込まれたものと見られている。今回押収されたのは、「機動戦士ガンダム」シリーズ5作品をはじめ、海賊版DVDの「在庫」が400セット以上とパソコン、携帯電話など。犯行グループはこれらを販売し、数千万円もの売り上げを得ていたと見られている。
今回逮捕された中国人らは、Yahoo!オークションなどのオークションサイトで海賊版を出品。ほかにも、自ら開設したウェブサイトに誘導して直接メールで注文を受け付けていた。「機動戦士ガンダムSEED」の正規品が13枚7万8000円で販売されているのに対し、海賊版は6枚セット1万円と極めて安価。ACCSでは今年2月に「通知書」をメールで送付して男性らに警告していたが、海賊版DVDの販売を継続していたため、サンライズの告訴により逮捕に至った。
アニメーションDVDの海賊版については、昨年2月にも埼玉県の会社員男性が逮捕されている。今回の事件も日本のアニメーションやゲームソフトなどの海賊版が逆輸入されていることを証明している形だ。香港における著作権侵害は映像ソフト(テレビ放送番組)の侵害規模が年間約210万本、約20億円と推計されており、侵害品割合は90%と見られている。
この事件を受け、ACCSでは今後もアニメーションやゲームソフトなど日本のコンテンツの海賊版に対して、著作権侵害の点から強い姿勢で臨む考えをあらためて表明した。
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