日本オラクルと新日鉄ソリューションズは9月1日、オンデマンド型のITシステム運用管理サービス「Oracle On Demand@NSSOL」を提供開始すると発表した。オラクルの統合業務アプリケーション、Oracle E-Business Suiteを導入した企業は、ハードウェアおよび運用管理サービスを月額3万円/1ユーザー(最小構成50ユーザーから)の従量課金制で利用できるというものだ。
新日鉄ソリューションズの代表取締役社長 鈴木繁氏は、企業の情報システムにおいてTCO(総合的保有コスト)の削減、ROI(投資対効果)の明確化、効率的なIT投資への需要が高まっており、特にITコストの半分以上を占めるといわれる保守運用コスト削減のため、メインフレームやオフコンなどからオープンシステムへの移行を希望する企業が増えていることを指摘する。「ただ、オープンシステムの導入には高度な技術を保有する運用管理要員が多く必要なため、踏み切れない企業も多い。Oracle On Demand@NSSOLを利用すれば、ソフトウェアライセンスとアプリケーションの初期導入コストを支払うだけで、運用管理サービスを新日鉄ソリューションズと日本オラクルの専門技術者に任せることができる」(鈴木氏)
新日鉄ソリューションズ 代表取締役社長 鈴木繁氏(左)と、日本オラクル 代表取締役社長 新宅正明氏 |
ユーザー企業は、サーバやストレージなどのハードウェアを購入する必要もない。新日鉄ソリューションズ ビジネスサービス事業部長 福島義治氏の試算によると、例えば50ユーザーを持つ企業がOracle E-Business Suite会計システムを自社資産で導入し、3年間運用すると仮定した場合、インフラ初期導入費用が2000万円、ハードウェア保守費用が300万円×3年、運用費が150万円/人月×4名×50%×36カ月で合計1億3700万円。Oracle On Demand@NSSOLを利用した場合は、3万円×50ユーザー×36カ月+開発期間4カ月で6000万円と、56%のコスト削減が実現できるという。
オラクルは、米国にて同社独自のデータセンターにOracle製品を導入し、オンデマンド形式で従量課金を行うOracle On Demandというサービスを2002年より提供しているが、同社代表取締役社長の新宅正明氏は、「日本でも同様のサービスを展開したいと考えていたが、日本ではパートナーとの提携が不可欠だった」と述べる。米国では、同社のユーザー約3000社のうち、約300社がOn Demandサービスを利用しているというが、「今後このようにソフトウェアをサービスとして提供する形が主流となっていくだろう」と新宅氏はいう。
両社は、中堅企業や大企業の事業部を主なターゲットとして、今後3年間で100社に同サービスを提供したいとしている。新日鉄ソリューションズの鈴木氏は、今後同サービスのみならず、「さまざまな機能やアプリケーションを電気のように自由に使えるユーティリティデータセンターをめざしたい」と述べた。
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