Apple Computerは、現地時間31日に発表した第3世代のiMacをデザインするにあたり、ミニマリスト・アプローチを採用した。
今回発表された一体型のiMac G5デスクトップは、ハードディスク、プロセッサ、スロット・ローディングのDVDドライブなど、すべてのパーツをワイドスクリーン液晶ディスプレイの後ろ側に搭載している。新iMacは、厚さが約2インチ(5センチ)で、メタルスタンドの上に本体が載っており、同社が先に発売したCinema Displayと似たプロポーションとなっている。
Appleはこのデザインを、パリで開かれているApple Expoで発表した。Macファンの運営するさまざまなウェブサイトでは、このところ新iMacのデザインに関する憶測が飛び交い、活況を呈していた。
iMacはこれまでに、2つの世代の製品が出されている。2002年に登場したG4 iMacはデスクランプに似た形で、可動式のアームの先に液晶画面が付いていた。また、1998年に出された第1世代のiMacは、CRTディスプレイが搭載されていたが、この形態は現在のeMacへと引き継がれている。
今回発表になったiMac G5の形は、横から見ると、Appleのデジタル音楽プレイヤー「iPod」がドッキングクレイドルに収められた時の姿とよく似ている。
AppleはこのiMacで本体の薄型化を図るとともに、大幅な性能の強化も行っている。同社は、17インチと20インチの両モデルにG5プロセッサ(IBM製PowerPC 970)を採用したほか、DVDの書き込みが可能なSuperDriveを搭載するモデルも揃えている。
Appleではこの新しいデザインを「魅惑的(enchanting)」と称しており、消費者が現在大人気のiPodと新iMacを見比べて好意的に評価してくれることを期待している。
「iPodが携帯音楽プレイヤーの形を再定義したように、この新しいiMacはコンシューマ向けデスクトップマシンに対するユーザーの期待を一新するものだ」と、Appleのワールドワイド・プロダクトマーケティング担当シニアバイスプレジデント、Philip Schillerは声明のなかで述べている。
同社によると、新iMacの出荷は9月中旬に始まり、17インチモデル(1299ドル)から20インチモデル(1899ドル)まで合わせて3つのタイプが販売されるという。
Appleは今回の発表まで、iMac G5の仕様を伏せてきたが、同社はもっと早めにこのマシンを発表したかったはずだ。ファンサイトのなかには、基本的なデザインを正確に言い当てたところもいくつかあったが、新iMacと称するデバイスを撮した写真には結局偽物と判明したものも多かったからだ。
Appleはまず7月に新iMacがまもなく登場する予定であることを認めた。この時点で同社は、iMac G4の注文受付をストップし、同モデルの在庫が払底する前にまったく新しいモデルを出したいと述べていた。しかし部品不足が生じた結果、同社の思惑とは裏腹に、iMacの発売は9月まで延期されることになった。その後同社は、問題の部品がG5プロセッサであることを明らかにし、新機種には同プロセッサが採用されることを認めることになった。
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