今日のDVDは二層ディスクで最大8.5Gバイトの容量を持つが、Blu-ray DiscとHD DVDの両フォーマットは、これをはるかに上回る情報を1枚のディスクに収めることが可能だ。二層のBlu-ray Discで最大50Gバイトという次世代DVDは、かなり安価な光ストレージとなる。これらのフォーマットには似通った部分はあるが互換性はないため、それが市場を分断し、発展を遅らせている。Blu-ray DiscとHD DVDは、今日のDVDプレーヤで使われる赤色レーザーより波長の短い青色レーザーを使うが、いずれも既存のDVD技術との互換性は維持される予定。
書類上では、NECと東芝が主導するHD DVDよりも、Blu-ray Disc陣営の方が支持者が多いように見える。Blu-rayは、ソニー、松下電器(Panasonic)、Royal Philips Electronics、Samsung Electronics、Hewlett-Packard(HP)、Dellなどが支持している。だが、支持者が多いに越したことはない。そのため両陣営とも制作スタジオの取り込みに必死だ。
もっと大きな視点で見ると、これらの新しいDVD技術は、特定の家電製品からデジタルコンテンツを解放する、業界を越えた大規模な取り組みの一環となる。デジタルコンテンツは、カセットテープなどの1種類の物理メディアに制限を受けるものではなく、デバイス間で簡単に移動できる。MP3ファイルはデスクトップからポータブルオーディオプレイヤー、そしてラップトップへ転送されたりする。この柔軟性によって、消費者はより新しく便利な方法でデジタルコンテンツを楽しめるようになっていく。しかし、著作権侵害の問題からコンテンツ企業はこの新しい流れに慎重で、ファイル共有の利用者を提訴するケースも出ている。それでも、エンターテイメント業界はVHSやDVDのときのように保有コンテンツを次世代DVDディスクで販売するようになるだろう、というのが大方の予想だ。
既に、知名度の高い企業と映画スタジオ数社が集まり、ホームネットワーク内でのハイビジョン映画の複製と利用を可能にする次世代DVD用の新しいコピープロテクト標準を作成している。デジタル著作権管理に対するハリウッドの懸念に対処すべく、各フォーマットの支持者の中から少なくとも1社がこの新しいコピープロテクトの開発に参加している。この問題の解決は、次世代DVDが先行技術に続く大ヒットとなる布石となる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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