CA、賞金100万ドルのオープンソースツール開発コンテスト

Martin LaMonica(CNET News.com)2004年08月04日 21時47分

 Computer Associates International(CA)は、フリーソフトでさえ、結局のところは「金がものをいう」ことを証明しようとしている。

 CAは米国時間4日に、同社のデータベース製品「Ingres r3」の利用促進に向けた100万ドル規模のコンテスト開催を発表する予定だ。同社は今週、Ingres r3をオープンソース化したばかりだが、競合するデータベース製品のユーザーをIngresに乗り換えさせるべく、そのための優れたツールを作った開発者に対して、5つの賞を提供する。なお、1位の受賞者には30万ドル程度の賞金が送られる。

 CAは5月に、Ingresのソースコードを公開する計画を発表した。このリレーショナル・データベース・ソフトは、約1万5000社の企業で使われている。現在、同ソフトのソースコードは、CAのTrusted Open Source Licenseに基づいて無償で提供されている。

 CAは、今回発表するコンテストについて、市場におけるIngresの普及を加速させるためとしている。

 「大規模な普及を狙うにあたって障害となるのは、既存のプロプライエタリなデータベース製品からの乗り換えだ。われわれがこのコンテストを実施するのも、この問題を緩和し、 Ingresへの移行を加速させるためだ」と、CAで製品開発部門のエグゼクティブ・バイスプレジデント、Mark Barrenecheaは述べている。

 この「100万ドルの挑戦」の一環として、CAは、Oracle、IBM、Microsoft、Sybase、Informixなど、市場をリードする商用データベース製品上に蓄積されたアプリケーションやデータをIngres用に変換するツールを開発するよう、プログラマに呼びかけていく。この変換ツールはオープンソースでなくてはならず、またCAの所有物とはならない。CAのBarrenecheaは、同コンテストの受賞者を来年開かれる同社のユーザーカンファレンスで発表するという。

 CAの今回の試みは、製品の利用促進にとって重要な開発者を集めるために、各オープンソースプロジェクトがどれほど奇抜なアプローチをとる必要があるのかを示す好例といえる。

 「オープンソースで成功するためには、しかるべき技術と(開発者)コミュニティが必要だ」(Barrenechea)

 市場調査会社のIDCによると、2003年のリレーショナル/オブジェクトデータベース市場におけるCAのシェアは0.4%で、前年から2%したという。CAは、1995年に買収したIngresを、現在は単独の製品として販売しているほか、同社の他製品のデータ保存用にも採用している。

 CAは、各種のオープンソースソフトウェアを集めてインフラ製品とし、それを同社の既存の商用製品と連動させようとしている。標準化されたオープンソース・アプリケーションを用いることで、ユーザーはCA製品の導入やメンテナンスにかかるコストを60〜70%低減できると、Barrenecheaは説明している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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