Computer Associates International(CA)で会長兼最高経営責任者(CEO)を務めていたSanjay Kumarが辞任した。同社では2年間にわたる不正会計疑惑の調査が続いており、アナリストらはKumarの辞任で不安の一部は取り除かれるものの、CAは依然として厳しい課題に直面しているという。
CAの米国時間21日付けの発表によると、Kumarはチーフソフトウェアアーキテクト(CSA)という新たに設けられた役職に就く形で同社に残るという。同社はまもなく暫定CEOの人選を開始する。会長職には、現在取締役のLewis Ranieriが就く予定だ。
CAは今回の人事について、現在継続中の会計業務に関する内部調査に呼応したものだと説明している。またKumarの辞任が、同氏の不正との関わりを認めるものではないと、Ranieriは声明のなかで述べている。
「Sanjayの異動は、同氏が何かしらの不正に関わったという結論に基づいて決断されたものではない。しかし、問題の行為が同氏の在任中に発生したことから、取締役会はこの判断が適切なものであると考えている」(Ranieri)
RanieriはSolomon Brothersで働いていた投資銀行家で、2001年にCAの取締役会に加わり、2002年に「主席社外取締役(lead independent director)」となった。CAは、TycoやEnronなどと同じく、社外の人物を取締役に起用し、コーポレートガバナンスの監督機能を改善しようとしていた。
企業向けに管理用ソフトウェアを開発するCAでは、2000年に不正な売上の計上が横行していたが、これが同社の株価を押し上げる要因になったとして、米証券取引委員会(SEC)から告発されている。
この告発に加え、同社は経営幹部の異動に付き物の混乱と、適切な後任探しという難問に直面していると、アナリストはいう。
これに対し、CAには「強力な経営陣がおり、日常業務の管理は何ら問題なく行われている」と同社関係者は述べている。
かつてCA創業者であるCharles Wangの庇護を受けたKumarが最高経営責任者(CEO)兼会長の座から退いたことは、今回の不正経理疑惑が招いた最大の悲劇といえる。
企業向けマネジメントソフトウェアを販売する同社は今週早々、2000年当時に経理・法務部門で働いていた従業員9名を解雇し、社内の監査委員会による調査は「終了に近づいている」と発表した。
社内の監査委員会による調査で発覚した不正疑惑は、CAが2000年度のソフトウェアライセンス契約に基づく売上を、本来であれば契約を結んだ四半期終了後に計上すべきところを、繰り上げて計上していたという内容のものだった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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