今年度はこれまでのところ好調な業績を上げているIntelだが、最高経営責任者(CEO)のCraig Barrettはその業績にまだ満足していない。製品開発の遅れが相次ぎ、今年度の同社の計画に影響を与えているからだ。そして今、彼はいくつかの改革を指示している。
Barrettは、政治からPC業界まで幅広い話題についての個人的見解を頻繁に口にし、しかも歯に衣着せぬ物言いで知られた人物だ。そのBarrettが先週(米国時間)、自らの関心をIntelの従業員へと向け、一連の製品開発の遅れと生産上の問題を取り上げたメモを作成した。CNET News.comが入手したのは、このメモの一部である。
「私は先ごろ、わが社の上級幹部と最近の業務執行の具合について話をした」と、Barrettは7月21日に従業員宛てに送った電子メールのなかで述べている。「私は単刀直入かつ率直に話をした。なぜなら、Intelが成功するためには、優れたオペレーションを尊ぶ社風と、規律・成果主義・顧客主義などの価値観への取り組みよりも重要なものと私には思えるからだ。単刀直入に話をしたもうひとつの理由は、問題に誠実に取り組み、それを解決するのがわれわれの企業文化の一部だからだ」(Barrett)
「わが社のビジネスは複雑だ。そしてわれわれは、自ら高い目標を設定している。従って、シニアマネジメントだけでなく従業員の皆さんに至るまでの全員が、Intelが優れた業績を生み、顧客を満足させるIT業界のトップ企業であり続けるための行動と姿勢に集中して取り組むことが非常に重要だ」とBarrettはメモの中で語った。「最後に、私が率直である理由は、従業員の皆さんの目標を設定し指示およびコーチングを提示するのが仕事であるシニアマネージャーに、われわれには業績を改善する必要があるということについて、何の疑いも持たないで欲しいからだ」(Barrett)
今月、Intelは設計上の問題を理由に、Pentium M搭載ノートPC向けの新型チップセット「Alviso」の発売を延期した。これによりAlviso搭載ノートPCの市場投入は来年始めまでずれ込むことになるが、Intelが主要なノートブック関連製品の発売を延期したのは今年に入ってこれが2度めとなる。Intelはまた、1-2月に予定されていたPentium M搭載ノートPC向けの新型プロセッサDothanの発売も5月まで延期した。
またIntelは、最新のPentium 4チップであるPrescottの設計見直しを余儀なくされた。Prescottは予定通り--というよりも、実際はIntelの目標より早く--2003年末にPCメーカー各社に出荷されたが、同チップを搭載したPCが出回ったのは2月になってからで、PCメーカー各社はその時点でも同製品の不足を明らかにしていた。
さらに、Intelは製造上の問題から大量のコントローラハブチップのリコールを余儀なくされ、これが900シリーズのデスクトップ用チップセット発売に影響を及ぼすことになった。 このチップセットは、同社のある幹部によれば、同社が過去12年間に投入した中で最も重要な製品のひとつであるという。
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