Apache FoundationのオープンソースプロジェクトであるJavaアプリケーションサーバの開発が壁に突き当たっている。
Geronimoプロジェクトを取り仕切るGeir Magnusson Jrは米国時間23日、同ソフトウェアのコーディングおよびJ2EE互換の認定テストが、予定の8月6日(米国時間)までに完了しないことを明らかにした。ただし、今四半期中には用意が整うと、同氏は付け加えている。
Geronimoプロジェクトは、Apacheグループが1年前に立ち上げたもので、現在Java 2 Enterprise Edition (J2EE) 1.4の仕様をベースにしたウェブアプリケーションを動かすソフトウェアの開発に取り組んでいる。このアプリケーションサーバソフトは、J2EE互換の認定テストに合格すれば、その後Apacheのオープンソースライセンスに基づいて無償で配布されることになる。
Geronimoは、これまでに立ち上げられたオープンソース系Javaアプリケーションサーバ開発プロジェクトの3番めにあたる。このほかには、ObjectWebコンソーシアムによるJonasと、JBossによる社名と同じ名前の製品の2つがある。なお、JBossでは、オープンソースのソフトウェアを無償で提供し、関連サービスを販売して利益を上げている。
Magnussonは、これらのプロジェクトから生まれた製品が、商用のJavaアプリケーションサーバ(「container」とも呼ばれる)市場に食い込んでいくものと期待している。
「こうしたオープンソースソフトウェアの影響が市場全体に広がるだろう。J2EE技術の開発に取り組み、またそれを覚えたいと考える開発者から、Geronimoのようなcontainerを使いたい小規模なISV(独立系ソフトウェアベンダ)まで、さまざまな立場の人間がこれらのソフトウェアを利用すると思う」(Magnusson)
一方、IBMやBEA Systems、Oracle、Sun Microsystemsなどのプロプライエタリ陣営は、自社開発したアプリケーションサーバを管理ツールなどとあわせたパッケージとして提供し、ライセンス料を徴収している。またポータルソフトや統合ソフトを含んだ商用のJavaサーバスイート製品もいくつかある。
ある独立系ベンダでは、すでにGeronimoソフトウェアを自社の商用製品の一部として提供することを決めている。Gluecode Softwareという新興企業では、オープンソースのJavaアプリケーションサーバを、これを管理するために自社で開発したツール類と共に販売することを発表する計画がある。また同社では、サブスクリプション形式でこの製品に関するサポートサービスも提供していく。
Gluecodeはすでに、ApacheのJetspeedプロジェクトで開発された技術をベースにしたワークフローソフトとポータルソフトを提供している。これらのソフトはJavaで書かれたもので、オープンソースとなっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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