高い人気を誇るオープンソースのウェブサーバソフトを提供している米Apacheグループは、Apacheを補完するアプリケーションサーバソフトの開発計画を発表し、既に混戦模様の同市場に揺さぶりをかける。
Apache Software FoundationのGreg Steinは今週、一般公開された書面のなかで、Geronimoという名称のプロジェクトを立ち上げると発表した。Geronimoは、米Sun Microsystemsの定めたJava 2 Enterprise Edition(J2EE)技術をベースとし、Apacheとの互換性を持たせたWebアプリケーション提供用ソフトウェアになるという。
Webアプリケーション提供のための標準技術として、J2EEを採用する動きは着実に拡大しており、米IBMのWebSphereや米BEAのWebLogicといった商用ソフト、そしてオープンソースのJBossといったソフトウェアも、この標準をサポートしている。
JBossは企業ユーザーの間で人気が高まっているが、ApacheのStein によれば、JBossにはいくつかの欠点があり、Geronimoはその欠点--特にSunからのJ2EE互換のお墨付きを欠いている部分を補うものになるという。
J2EE互換の認定というのは、そのソフトウェアがJ2EE標準と完全な互換性を持つとSunが保証するもので、同社が有料で提供する一連のテストに合格することが、認定取得の必須条件の一部となっている。
JBossの企業への導入を進めてきたJBoss GroupとSunとは、JBossにJ2EE認定を示すラベルを使用する権利があるかどうかについて、これまで反目を続けてきているが、先週になって同グループは認定取得に向けて動くとの約束を行った。
一方、ApacheのSteinによると、Apache FoundationはTomcatというJavaベースのApache用モジュールに対してJ2EE互換の認定を取得するべく、既にSunとの作業に着手しているという。
J2EEの認定取得は、企業がソフトウェアの採用を決める上で非常に重要で、認定を得た製品にはインターオペラビリティがあることを企業に保証するからだと、Steinは記している。
「企業ユーザーの多くは、どこか1つのベンダーに依存し、取り込まれてしまうことを望んでいない。J2EEの認定は、こうした企業に選択肢をもたらす」とStein。「ユーザーはApacheを使いながら、各々のプロセスを構築でき、しかも万が一何か問題が生じた際でも、何も心配せずにWebLogic やWebSphereに乗り換えられる」(Stein)
JBoss Groupの戦略担当バイスプレジデントBob Bickelは、認定取得に向けての作業が進行中であり、この件についての問題は無いと語る。
「我々はJ2EE互換の認定を取得すると約束している。だから、その有無からどんな違いが生じるのかが、私にはわからない」(Bickel)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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