Microsoftが現金の問題を解決したいま、投資家の関心は同社の貸借対照表のほかの科目に移っている。
これまで何カ月にも渡って投資家に我慢を求めてきたMicrosoftが、米国時間20日、今後4年間で総額750億ドルの株主に対する利益還元を行うことをついに発表した。同社は増配、株式の買い戻し、320億ドルの一時配当金支払いを組み合わせて、この計画を実施していく。現金を分配することで、しばらく動きのなかったMicrosoftの株価が押し上げられるのではないかと考えていたアナリストの最大の関心事が、この決定で片づいたことになる。
22日に予定される同社の四半期決算発表を控え、投資家は他の部分に関心を移しており、具体的には個々の事業部門の業績や、長期契約の一部として計上済みの金額を示す前受収益の残高などを詳しく調べている。
Microsoftが以前Upgrade Advantageライセンスプログラムに加入していた顧客を説得し、どれだけ新しいSoftware Assuranceプログラムに切り替えさせたかは、とくに皆が知りたがっている事柄だ。Microsoftは以前、この更新率はそれほど高くはなく、10〜30%に留まりそうだと語っていた。
Goldman Sachsのアナリスト、Rick Sherlundは、米国時間19日に公表した調査メモの中で、この点に関しては、Microsoftから予想以上に良い話が聞かれるかもしれないと示唆している。
Sherlundはこのメモの中で、「われわれは、再販業者らから更新率に関して前向きな話を聞いており、経営陣の予想の上限に近い20%あるいは30%の顧客が更新すると考えている」と述べている。
ソフトウェア業界の観測筋は、これまで厳しい結果が続いている直近の四半期決算のなかで、Microsoftの報告が救いになることを期待している。同期はSiebel Systems、BMC Software、PeopleSoft、Veritas Softwareなど、各社から業績の下方修正が相次いだ。
Microsoftからはまだ同四半期に関する具体的なコメントはないが、CEO(最高経営責任者)のSteve BallmerはこのところMicrosoftのビジネスが好調であることを宣言しており、またPCの売上が堅調との報告も各所から出されている。
Microsoftは4月に、株式ベースの報酬に関する5セントの費用を含め、1株あたり23セントの利益と、89〜90億ドルの売上高を予測していた。
Ballmerはまた、現金分配を発表した20日の電話会議の中で、同社の長期的な見通しについて楽観視していることを明らかにした。
Ballmerは報道陣とアナリストに対し、「今後数年間にわたる自社の成長の可能性を目にして思ったのは、数年でこれだけの成長が見込まれる会社を見つけ出すのは難しいということだ。われわれはいま、非常に大きな機会を手にしており、率直に言って大きく成長する局面にあると思う」と語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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