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私が望むソーシャルネットワーク - (page 2)

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 その記録は、LinkedInではなく、私が所有する。断っておくが、私は何もLinkedInのあら探しをするつもりはない。LinkedInは批判と改善に値する優れたプラットフォームであるし、私自身も使っている。実際、LinkedInは、これから説明するようなクライアント機能を追加しようとしている(Outlookユーザーだけを対象としたプラグインとして提供される点は何とも残念である)。

 このツールを使用すると、たとえば、特定の知人に対して自分が紹介した人物をすべて検索したり、自分の知人ネットワークを利用して採用候補の人物照会をするといったことが簡単にできる。また、こうしたソーシャルネットワークのプロセスを処理するために用意されたテンプレートを使えば、独自のコネクション(取引相手、知り合い、密かにあこがれている人など)を定義することもできる。

 あまり科学的とは言えないが、私自身がさまざまな集まりで行った調査によると、相当な数の人たちが、ソーシャルネットワークを通じて自分にコンタクトをとってきた人たちに、いささか失礼なお断りの返事をすることに苦痛を感じているようだ。しかし、このツールを使えば、「詳しいお話を伺いたいところですが、あいにく時間がとれそうにありません」といった内容の丁重な文面のお断り用テンプレートを作成できる。3日に5通とか、1カ月に10通とか、自分があらかじめ設定しておいた数を超えて特定の相手にメールを出すと、その相手を良いコネクションとして登録するかどうかを尋ねてくるといった機能も実現できるだろう。

LinkedInが果たすべき役割

 そうなると、LinkedInというサービスはどういう位置付けになるのだろうか。今のところ、ソーシャルネットワークプラットフォームは、単一なサーバベースのワークフローアプリケーションである。具体的には、特定人物との関係を宣言する、ある人物を第3者を介して別の人物に紹介する、互いに見知らぬ者同士を引き合わせる検索を行うといった、ユーザー間のやり取りを管理する。

 また、ユーザーは、選択的に表示可能な共有スペースで情報を交換することもできる。自分の履歴や仕事に関する情報から、さらには自分自身の情報や飼っている猫の写真、個人プロフィール、知人へのリンクまで、さまざまなプライバシー保護制約のもとで、情報を共有できる。

 各共有コンテンツへのトランザクション、つまりワークフローの発生割合は、サービスによってさまざまだが、基本フォーマットは同じである。ビジネスモデルもさまざまである。とにかくメンバーが実際にサイトで時間を過ごしてくれることを望む共有コンテンツサイトは、広告収入がメインだ。一方、LinkedInのようなトランザクション指向のサイトでは、さまざまな購読料やトランザクションベースの課金によって収益をあげている。

 サーバ上のデータベースは、ユーザー向けツールをうまく補う役割も果たしている。たとえば、私がJuanに、私の検索可能知人リストに登録されたいかどうか尋ねると、彼の返信が私の知人データベースに登録される。彼の返事がOKなら、その旨がLinkedInに通知され、そこで大規模な検索とマッチングおよびネットワークにまたがるリンク巡回が行われる。

 ここではLinkedInがその役割を果たすことになる。つまり、私と私の知人を他の人たちのソーシャルネットワークに繋げる一方で、私が自分のネットワークを管理するためのツールも提供してくれる。

 もちろん、ある知人ネットワークから別の知人ネットワークに間接的にリンクを張ることには問題がある。ある人にとっては強力なリンクでも、相手から見れば「1度会っただけ」ということになるからだ。しかし、これは現実を反映している。たとえば、Bill Gatesを知っている人はたくさんいるが、その中でBill Gatesから知られている人は非常に少ない。長期的には、適切なプライバシー保護とその他の社会的なプロトコル標準が確立されれば、さまざまなソーシャルネットワークが相互に接続されることになるだろう。

 「オープン」なコミュニティとプライベートな空間を好む人たちのコミュニティ、あるいは強いリンク(繋がり)で形成されたコミュニティと開放的に誰とでも会う人たちのコミュニティをいっしょにしても、お互いを失望させるだけである。そんなことをしても、ユーザーはそれぞれの好みのソーシャルネットワークに戻っていくだけである。ローカルに管理できるプライベートなソーシャルネットワークに戻る者もいれば、Plaxoのように、誰かのアドレス帳に登録されているだけで繋がっていることになる、よりオープンなネットワークに戻る者もいるだろう。前者が純粋なソーシャルネットワーク、後者は「人的支援検索」とでも呼ぶべき知人ネットワークである。

 その過程で、人的ネットワークの法則、すなわち繋がりの強さはリンクの数の2乗に反比例するという法則がますます、はっきりしてくるだろう。そして、それはおそらく良いことだ。

 以上が、私のソーシャルネットワークに対する考えである。これが、ビジネスモデルとしてどのくらい良いかは分からないが、ソーシャルモデルとしては十分に使えるはずだ。

筆者略歴
Esther Dyson
マンスリーレポートRelease 1.0、およびCNET Networks Inc.の編集者

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