カナダ・トロント発--Microsoftはリセラーの人材について、ジェネラリストばかりで、特定分野に関して深い知識を持つ人が不足しており、これでは教養学を専攻する学生ばかりの大学と同じだと、述べた。
MicrosoftのシニアバイスプレジデントOrlando Ayalaは米国時間11日、インタビューに答えて「大体のパートナーについては、専門知識が足りないと思う」と語った。
Microsoftは、今週当地で開催中のWorldwide Partner Conferenceで公開された改良版のパートナープログラムを通して、この状況を変えたいと考えている。Microsoftは、主要ソフトウェアとMicrosoft Business Solutions製品でこれまで別々だったプログラムを統合するほか、セキュリティ、ビジネスインテリジェンス、高度ネットワークインフラなど、11種類のカテゴリーのなかから1種類以上を専門にするパートナーに対して新たなインセンティブを提供する。
同社は、昨年15億ドルを投資したパートナープログラムに、今年は17億ドルを投資する計画。1種類以上のカテゴリーで認定を受けるリセラーなどのパートナーはポイントを獲得することができ、このポイントを使ってMicrosoftからのサポートやマーケティング支援を追加で受けられるようになる。
Microsoftの中小企業向けセールス部門やパートナー組織を指揮するAyalaは、これが机上の知識しか持たないパートナーに報いるプログラムではないことを強調する。
「それでは不十分だ。市場に影響を与える必要がある」(Ayala)
Microsoftのソフトウェアを中小企業にただ販売するだけなく、顧客が直面するビジネス課題の解決策を提供できれば、パートナー企業は確実に利益を上げることができる、とAyalaは述べる。
プログラムに参加するパートナーのチャンスを強調するため、Ayalaはホビーショップを経営する兄弟Oscarの話を持ち出した。同氏はOscarに、MicrosoftのWindows Server 2003やExchangeなど各種ソフトウェアを組み合わせたSmall Business Serverを使うよう勧めたという。
しかし、「このようなものに興味はない。それよりキャッシュフローの問題を解決して欲しい」とOscarに言われたことを明かした。
Oscarは業務用にウェブサイトを開設していたが、顧客は商品を購入するにはPayPal(電子メールを利用するオンライン決済システム)を利用する必要があった。このシステムはOscarが望むようなクレジットカードの使い勝手とは違っていた。専門知識をもつパートナーを紹介してくれるMicrosoftの新ツールを導入したのをきっかけに、OscarはMicrosoftのパートナー企業2社--小売業の専門知識を持つパートナーと、クレジットカード決済処理の専門知識を持つパートナー--と連絡をとり合うようになった。
最終的に、Oscar AyalaはSmall Business Serverを購入した。かかった費用は、ハードウェアとMicrosoftのソフトウェアが約4000ドル、2社のパートナーから受けたサービスが1万3000ドルだった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス