Hewlett-Packard(HP)のサーバグループは、IntelのItaniumプロセッサを採用したサーバ製品に関する重大な計画をいくつか用意しているが、同時にたとえItaniumが現状のハイエンド向けニッチ市場以外に普及しなくとも、特に問題はないと考えている。
Itaniumは、自社サーバ製品のポートフォリオの簡素化を進めるHPが、戦略の基礎に据えているプロセッサだ。同社は、3つの異なるハイエンドサーバ製品ラインをItaniumベースのものに移行している最中で、Integrity製品ラインは4種類のオペレーティングシステム(OS)に対応することになっている。同時に、HPはローエンド向けのProLiant製品の品揃えを増やし、従来のIntel XeonチップだけでなくAdvanced Micro Devices(AMD)のOpteronを搭載するサーバも扱うようになっている。
同社サーバ部門の幹部らは、こうした戦略について、賭けのリスクを分散回避しようとするものだとしている。
「ProLiantとIntegrityの2つの製品ラインを打ち出す戦略なら、どんな場合にも対応できると判断した」と、HPのビジネスクリティカルサーバグループでゼネラルマネージャを務めるRich Marceloは説明している。「もしそれが、Unixを利用している既存顧客をItaniumベースのマシンに移行させているに過ぎないとしても、われわれには特に問題はない」(Marcelo)
AMDとIntelが、ProLiant製品に採用されているx86チップに64ビット機能拡張を追加したことで、大容量のメモリを容易に取り扱えるというItaniumの優位性が失われてしまった。AMDは、2003年に64ビット化へ動き、Intelのほうも28日に発売したXeonの新バージョン(コード名:「Nocona」)で64ビット対応を行った。
たとえItaniumが、SunのUltraSparcやHP自身のPA-RISCといったRISC(Reduced Instruction Set Computing)チップの代替品以上の存在になれないとしても、HPはこのItanium戦略を継続できるはずだ。実際HPでは、Itaniumが向こう3年間は比較的狭いニッチから抜け出せるとは考えていないと、Marcelは述べている。その後、同プロセッサが広範囲にわたる成功を収められるかどうかは、Intelのマーケティング上の選択に大きく依存するという。
Microprocessor Report編集長のKevin Krewellは、HPの動きについて、Itaniumに対してこれまで寄せられていた過度の期待を押さえようとしていると述べた。「Itaniumは、元々多くの事柄を約束していたせいで過度の期待を持たれていたことから、HPはこの期待を引き下げるようとしている。現在のItanium搭載サーバは、実のところUnixで動くRISCベースのメインフレームの代替品というニッチに定着している」(Krewell)
そしてニッチから脱出することは困難だ。「ある製品について市場での見方ができあがってしまうと、この見方を変えることはますます難しくなっていく。Itanium搭載システムのコスト構造を考えると、32ビットのIAアーキテクチャー--つまり、IntelのXeonやPentium、そしてAMD製チップなどと競争することは難しい」とKrewellは指摘した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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