Red Hatが、ネットワーク上の多数のデバイス間で共有できるストレージシステムを作るソフトウェアを発売開始した。これは、同社の中核であるオペレーティングシステム(OS)以外の分野に事業を拡大することを目指す計画の一環だ。
Red Hat Global File System(GFS)と呼ばれるこのソフトウェアは、価格が年間サーバ1台あたり2200ドルで、顧客がこれまで支払ってきたRed Hat Enterprise Linuxの費用とは別料金である、と同社は24日(米国時間)に述べた。この製品は、Red Hatが今年買収したSistina Softwareが開発したもの。
またRed Hatは同日、一般公衆利用許諾契約(GPL)のもとで、GFSソフトウェアのソースコードを公開する約束を果たした。GFSは長い間オープンソースソフトウェアだったが、GFSのサポートとサービスを有料で提供する方法がうまく機能しなかったため、Sistinaは2001年に、財政の好転を図ろうとGFSをプロプライエタリ化した経緯があった。
GFSソフトウェアは、1つのファイルシステムに保存されているファイルを、多数のサーバで共有できるようにするソフトウェアだ。情報は各サーバもしくはストレージエリアネットワーク(SAN)上に保存される。
GFSソフトウェアは、高速なデータアクセスや、個々のマシンが故障しても情報にアクセスできるように情報を複製することなどに用いられる。GFSは一般的な2つのタイプのクラスタに向いている--問題が生じた場合に他のマシンが作業を引き継げるようにマシン同士をリンクさせたクラスタと、大規模なスーパーコンピュータの一部となるクラスタだ。
Red Hat GFSはOracleの9i RACに対応するよう調整されている。9i RACは、複数のクラスタマシン間で利用できるデータベースソフトウェアで、コンピュータに問題が生じた場合もサービスの継続を保証するRed Hatのクラスタソフトウェアと共に動作する。
GFSソフトウェアは、OSだけの販売から高レベルなソフトウェアの販売にも事業を広げようとするRed Hatの計画にうまく適合している。
クラスタファイルシステムを推進しているのはRed Hatだけではない。Hewlett-Packard(HP)は22日、StorageWorks Scalable File Share製品を発表した。これは多数のサーバやストレージシステムにまたがる単一のクラスタファイルシステムを管理するサーバ製品だ。このソフトウェアはオープンソースのLustreプロジェクトをベースとして高性能コンピューティングタスク用に設計されており、4096基のプロセッサで構成されたPacific Northwest National LaboratoryのLinuxスーパーコンピュータで利用されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス