シスコシステムズは6月16日、中小・中堅企業向け事業を拡大すると発表した。米Cisco Systemsでは4月22日に、従業員数20人〜300人クラスの中小・中堅企業に向けたソリューションであるCisco SMB Class Solutionsに対して今後2年間で20億ドルの投資を行うと発表していた。今回の日本での発表は、このグローバルな取り組みの一環となる。
シスコはSMB Class Solutionsにおいて、中小・中堅企業向けにセールスプログラム、研究開発、マーケティング、サービス、サポートを強化する。日本では、7月よりパートナーとの連携により、まず従業員300人以下の中小企業向けにソリューションを提供するという。
ソリューションの具体的な内容として今回発表されたのは4つ。まず、中小企業の生産性向上に向け、複数のシスコ製品をバンドルして特別価格で提供すること、IT投資で資金調達を行う際の問題点を解決するファイナンスサービスを提供すること、IT投資に向けたトレーニングを提供すること、IT投資を保護するサービスおよびサポートを提供することだ。
シスコシステムズ代表取締役社長 黒澤保樹氏 |
シスコシステムズ代表取締役社長の黒澤保樹氏によると、現在シスコでは、20人規模、50人規模などの中小企業に向けて、このようなソリューションでどの程度のサポートが必要となるのか、またどの程度の価格であれば導入可能かなどを調査するパイロットプログラムを実施しているという。この検証を基に「現在価格を検討中。人数別に分けたパッケージ価格を設定することになるだろう」(黒澤氏)としている。
黒澤氏は「これまでシスコは大企業やキャリア向けのビジネスにおける存在感はあったが、中小・中堅企業向けビジネスにはあまり真剣に取り組んでこなかった。その結果、中小・中堅企業向け市場は全企業の市場規模の約3分の2を占めているにもかかわらず、シスコでは同市場のビジネスが全体の2割程度しか占めていない」と述べ、同市場に向けたソリューションを提供することでシスコのビジネスエリアの拡大をめざす方針を明確にした。
発表会場では、今回の事業の展開において強力なパートナーとなるソフトバンクBBとダイワボウ情報システムも同席した。ソフトバンクBB 流通営業本部 副本部長の鈴木茂男氏は、シスコの同市場に向けた取り組みについて、シスコのビジネス拡大のみならず市場そのものを活性化するものだと述べ、「中小・中堅企業市場の拡大をめざしてシスコと共同で相乗効果を創出していきたい」と語った。
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