ネットワーク機器最大手のCisco Systemsは、新たな成長分野の開拓を進めるなかで、中小企業ユーザー獲得を狙った取り組みを強化している。
Ciscoは米国時間22日、SMB Class Solutionという取り組みを開始した。これは従業員数20〜1000人規模の企業のニーズにあわせた技術を提供しようというものだ。同社は、この新しい取り組みのなかで、製品の一部改良を加えて使いやすくしたほか、新たな支払い方法や、ユーザー向けのオンライン教育サービスも用意している。
調査会社のYankee Groupによると、中小企業は全米で約590万社ほど存在し、全米の法人市場の99%を占めているという。ところが、Ciscoはこの市場セグメントから、同社全体の20〜30%にあたる売上しか上げていない。
法人市場では知名度が高く、サービスプロバイダの間でも評判を高めてきているCiscoは、現在この未開拓市場を最優先のターゲットにしている。同社最高経営責任者(CEO)のJohn Chambersは、中小企業市場を開拓するために、これまで20億ドル以上もの資金を投入してきたと、声明の中で述べている。
最近までCiscoは、ユーザーが使い勝手や価格ばかり重視する小規模企業の市場には目を向けず、具体的なニーズにも対応してこなかった。また同社は3Com、Dell、Hewlett-Packard(HP)などの企業からの強烈な価格攻勢にさらされていた。
しかしCiscoは、先月発表したMicrosoftとの提携のように、新しいパートナーと連携しながら、中小企業市場における存在感を増している。Microsoftとの提携では、同社は中小企業向けの廉価で使いやすい製品を提供している。
また今回の取り組みの一環として、Ciscoは一部製品の設定および管理機能を強化した。具体的には、Smartportsと呼ばれる新しい機能を追加しているが、これは顧客がマウス操作でEthernet対応スイッチCatalystのポートを設定できるようにするもの。この製品を設定するには、これまで熟練したエンジニアが最大40行ほどのコマンドをキーボードで入力する必要があった。Smartportsは、まずCatalyst 2940/2950/3550のスタッカブルスイッチ製品で提供される。
Ciscoはまた、Catalyst用のExpress Setup、ルータ用のCluster Management Suiteツール、セキュリティ製品用のSecurity Device Managerといった管理ツールの統合も行っており、ユーザーが単一のインターフェースからこれらツールを起動できるようにしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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