エンタープライズソフトウェアメーカーのSAPは米国時間9日、ライバルであるOracleの重要な顧客だった飲料大手のPepsiCoと、大規模契約を結んだことを明らかにした。
第2位のOracleに次ぐ世界第3位のソフトウェアベンダーで、業務アプリケーションを専門に扱うSAPは、Pepsiの全事業部に同社のMySAP Business Suiteを導入することを明らかにした。Pepsi最大の事業部の1つであるPepsi North Americaは、数年前からOracleの製品を採用しており、Oracleのウェブサイトにある重要顧客リストには今でも同社の名前が載っている。
Oracleの関係者からSAPの発表に関するコメントを得ることはできなかった。同社は、1997年に初めてPepsi North Americaを顧客として発表している。
SAPでは、基幹業務(ERP)、顧客管理(CRM)、サプライチェーン管理(SCM)の各ツールをはじめ、フラグシップであるMySAPの全製品ラインを同社が責任を持ってPepsiに導入する、としている。SAPでは、今回の取り組みでFrito-Lay、Quaker Oats、Pepsi Bottling Groupを含む、Pepsiの多くの事業部で利用されている全レガシーソフトウェアシステムの統合を目指すという。
SAPによると、PepsiはOracleのビジネスアプリケーション製品を使って、エンタープライズシステムの統合を試みたが、満足のゆく結果を得られなかったという。SAPでは、アプリケーションのシンプルこそ自社製品の最大の特徴だと主張しており、この点を主なマーケティングツールとして利用している。同社は、昨年からNetWeaverシステムを積極的に売り込んできているが、これは他社製ソフトウェアとの連携を改善するプログラムを集めたものだ。
収益性の高いデータベースソフトウェア市場でトップの座に君臨するOracleは、エンタープライズアプリケーション分野でSAPとの差を広げようと懸命に努力してきた。同社は現在、別のERP・CRMソフトウェアベンダーであるPeopleSoft買収に向けた法廷闘争を繰り広げている。
なお、PepsiのほかにもColgate-Palmolive、Kimberly-Clarke、Hershey、General Millsなどの一般消費財企業が、SAPと契約を結んでいる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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