昨年のデータベース売上に関する調査結果が発表された。それによると、マーケットシェアの首位を獲得したのはOracleで、また市場全体の売上はわずかながら拡大したという。
米国時間4日に調査会社IDCが発表した同レポートによると、Oracleのマーケットシェアは8.6%増加し、リレーショナルおよびオブジェクトリレーショナルデータベース管理システム市場における同社のシェアは40%近くに達したという。IBMのシェアは5.5%増加し、市場全体の31%となった。またMicrosoftの市場シェアは12.1%で、前年比14.7%の伸びを示した。
IDCが発表したトップベンダの順位は、Gartnerが2週間前に発表した独自の調査結果と異なる。Gartner Dataquestの発表によると、2003年はIBMが前年に引き続き市場首位の座を維持し、Oracleは2位につけたという。
調査結果の相違は、両社の市場の定義の仕方が異なることに起因する。IDCは、年間を通して発行した新規ライセンスの売上と、継続顧客からのライセンス売上を調査の対象に含む一方、Gartnerは新規に発行したライセンスの売上だけを調査の対象にしている。
IDCのレポートを作成したCarl Olofsonによると、ほかのベンダの顧客はデータベースのライセンスと保守について、それぞれ別々に契約できるのに対し、IBMの顧客はメインフレームデータベースを購入する際、ライセンスと保守サービスを含む一括契約を結ぶ必要があるという。また同氏は、Oracleの売上に新規ライセンス料金だけでなく保守料金も含めれば、Oracleの売上の方がIBMより大きいと説明している。
「IBMの販売で最も伸びたのはメインフレーム用データベースだ。最も成長が速かったのはLinuxだが、全般的に見ると特筆すべきことでもない」(Olofson)
IDCによると、データベース全体の市場規模は昨年135億ドルに達し、2002年と比べて7.6%増加したという。ただし、米ドルに対してユーロが強かった点を考慮に入れると、市場の実質的な成長率は約2%になるとOlofsonは説明している。なお、2001年から2002年にかけて市場規模は2%縮小していた(IDC)。
Olofsonによると、昨年の市場成長は、企業顧客がITに投資する金額を増やしていることの現れだという。一般にデータベースのような高額商品を購入する企業は、コンピュータシステムの処理能力を高めようとしていると考えられる。
昨年のLinuxベースデータベースの売上は、Windowsベースの製品より急速に成長し、またUnixベースのデータベースの売上は減少したと、Olofsonは述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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