製品のリリース時期は未定
Microsoftでは、HPC Editionのスケジュールに関する情報の公表を控えているが、しかし開発作業は既に進んでいる。
たとえば、HPC Editionのソフトウェア開発キット(SDK)には、クラスタ内のコンピュータが相互に通信できるようにするソフトウェア、Message Passing Interface(MPI)も含まれる。
Cornell Theory CenterのDavid Lifkaは、HPC Edition用SDKの初期バージョンが早ければ今秋にも登場するだろうと考えている。同センターは、新ソフトウェアの開発およびテストでMicrosoftに協力している。
Microsoftは今後、複数のサーバをリリースする予定だが、これらにHPCバージョンのWindowsが追加される可能性がある。Windows Server 2003のService Pack 1は今年中にリリースが予定されており、続いて「R2」というコード名を持つさらに重要なアップグレードが2005年に登場する。そして「Longhorn」のサーバ版は2007年に登場する予定だ。
人材募集情報によると、MicrosoftではMPIをMicrosoftの.Netインフラに対応させるという。.Netにとって重要な基盤となるのが、C#プログラミング言語と、C#プログラムを異なるシステムで実行できるようにするCommon Language Runtime(CLR)だ。
Lifkaは、最初のフェーズでは特定のタイプのオペレーティングシステムとハードウェア用に書かれたMPIを利用することになる、と話している。そして、XeonやOpteron、あるいはItaniumなどのプロセッサを搭載した異なるWindowsマシン上で、管理者が同じプログラムを実行できるようにするCLR用のMPIがその次の基盤となる。
いまのところ、CLRおよび.Net用に書かれたプログラムは特定のマシン向けに書かれたものほど高速に動作しない。だが、「その点については着実な改善が見られる」とLifkaは述べている。同氏は、セキュリティの部分とパッチの容易なインストレーションも、さらに改善が必要だと話している。
全体的に見て、Lifkaは高性能コンピューティング向けのWindowsを気に入っているが、その理由について同氏は、企業内のほかのバージョンのWindowsと簡単に組み合わせられるからだとしている。
同氏はまた、企業各社はLinuxよりWindowsのほうが馴染みがあると付け加えた。 「Windowsに移行することで、関係を持つ企業の数が増え、また関係の質も向上した」(Lifka)
Microsoftでは、高性能コンピューティング分野への挑戦に関して、長期的な見方をしている。
Mugliaは、テクノロジーが成熟していくにつれ、それが可能性から実用に耐えうる段階へ、さらにはシームレスな段階へと移行すると説明することが多い。この説明に従えば、Windows上での高性能コンピューティング分野は、今日まだ可能性の段階にあり、当面の目標はそれを実用段階に持っていくことだ、と同氏は語った。
「今後数年のうちに、実用段階に持っていけるだろう。この技術をさらに良くするチャンスがある」(Muglia)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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