ドイツ・ミュンヘン発--Hewlett-Packard(HP)のハイエンドオペレーティングシステム(OS)OpenVMSが、同社のIntelベースのハイエンドサーバSuperDomeに移植され、先週ヨーロッパで初披露された。
OpenVMSは1990年代に、旧式のVAXミニコンピュータから64ビットのAlphaプロセッサに移植された。HPは今週ミュンヘンで、Intel Itanium2ベースのSuperDome SD32aサーバとAlphaServer、Integrity rx2600サーバ上で、OpenVMSをクラスタとして稼動させるデモなどを行なった。
HPのウェブサイトには、Itanium対応OpenVMSは2004年後半リリース予定と記されており、同社幹部はリリースが2004年末頃になるだろうと述べている。しかしHPのENSA@Workユーザーカンファレンスでこの技術をデモンストレーションした関係者は、現実的なリリース目標は2005年初頭だと考えているようだった。
「中核となる機能は全て実現している。既にItanium 2プラットフォーム上でDECNetも動作している」とデモンストレーションを行なったHPの関係者は述べている。DECNetは旧DECが開発した古いネットワークプロトコルだが、ミッションクリティカルなアプリケーションの一部でいまだに利用されている。
この関係者の話では、現在残っている作業の大半は、OSがハードウェア上で、またアプリケーションがOS上できちんと動作することを確認する、品質保証の作業だという。
Itanium 2ベースのIntegrity rx2600は、HPがOpenVMSを初めて移植したIntelベースのサーバとなる。HP Integrityサーバ用のOpenVMS V8.1 Evaluationリリースは、現在rx2600およびrx4640向けに提供されている。同OSのAlphaサーバとIntegrityサーバ向け製品版リリースV8.2では、rx1600、rx2600、rx4640がサポートされるとみられる。
OpenVMSがItanium 2ベースのシステムに移植されることにより、同OSのユーザーはHPがAlphaプロセッサシリーズを廃止しても、製品のアップグレードを続けられるようになる。HPはCompaq買収時に、Alpha製品をCompaqから引き継いだ。
Compaqが1990年代始めに最初の64ビットAlphaプロセッサを発売した時、そのスピードは200MHzで、当時Intelの最もハイエンドな製品だった66MHz Pentiumよりはるかに高速だった。Intelはその後、PentiumからItanium 2まで次々に製品をリリースし、Alphaとの性能の差を着々と縮めてきている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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