米Hewlett-Packardは20日(米国時間)、AlphaServerシリーズで最後となる、もっとも強力なモデルを発売する予定だ。同シリーズのサーバーの起源は、コンピュータ業界がいまとは全く違っていた時代に遡る。
HPの17日付けの発表によると、このAlphaServerには、64個のEV7プロセッサが搭載されている。これまでのトップエンドのシステムは、7月に発売された32プロセッサのGS1200だった。
64プロセッサモデルはAlphaServerシリーズの最終版となるだろうと、HPの関係者は述べている。ただし、HPは2004年に、このサーバにさらに高速なEV79プロセッサを搭載する予定で、同社によると、このプロセッサがAlphaファミリーで最後のものになるという。
AlphaServerシリーズは、もともと米Digital Equipment社が開発したもので、同社が1998年にCompaq Computerに買収された後でも生き残っていた。しかしCompaqはAlpha プロセッサを段階的に廃止し、代わりに米IntelのItaniumプロセッサを採用することにしていた。
Alphaチップはそのスピードから敬意を集め、一時は米Microsoftを含む強力な援軍から支持を得ていたものの、結局メジャーになることはなかった。このチップは、HP、米Sun Microsystems、米IBM、そしてIntelなどの各社の製品と競合していた。
HPは、Compaqを買収した2002年に、AlphaServerシリーズを受け継いだ。
AlphaServerシリーズの大きな特徴の一つ、OpenVMSオペレーティングシステムは、今後も生き続けるだろう。25年以上前にVMS(Virtual Memory System)として誕生したこのソフトウェアは、Itaniumプロセッサへの移植作業が進められている。
Alphaチップ上で動くもうひとつのオペレーティングシステム、UnixのTru64バージョンも、やはりDigital Equipmentが開発したものだが、こちらはHP-UXの影で姿を消そうとしている。だが、HPのエンジニアはTru64のいくつかの機能を、HP-UXに移植しようと作業を続けている。
HPでは、20日にTru64とOpenVMSの改良点について発表する予定だ。同社によると、EV7プロセッサを用いた新しいエントリーモデルのAlpha Serverもリリース予定だという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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