エンタープライズソフトウェアメーカーのSAPは4日(米国時間)、同社のアプリケーションメンテナンスパッケージに新たなツールを追加した。これは同社製品の変更に対応する顧客を支援するためのものだ。
今回リリースされた「Change Request Management」というツールは、ERP(Enterprise Resource Planning)やCRM(Customer Relationship Management)を含む同社のアプリケーションソフトウェアで、新しいバージョンが発表される度に生じる全てのアップグレードや変更に顧客が対応しやすくするもの。同社はまた、顧客がパフォーマンスやコストの問題に取り組む際に、SAPの専門スタッフに現場での支援を要請することができるというプレミアムカスタマーサポートパッケージ「MaxAttention」も発表した。
これらの動きは、非常に複雑な製品を販売しているという自社のイメージを払拭するためのSAPの取り組みの一環だ。
同社によれば、Change Request Managementツールセットは、新しい製品のインストールや、使用中のアプリケーションの修正に伴う従来からの問題に対処するためのものだという。このパッケージを利用すれば、ソフトウェアやアップグレードの配布、変更後の動作確認、全ての変更点を把握するためのステータスレポートの作成などを自動的に処理できるようになる。SAPの考えでは、このパッケージは、これらの業務に膨大な従業員の労働時間を充てざるを得なかった顧客に恩恵をもたらすものだという。
SAPは、Change Request Managementツールを、第3四半期に発表される予定のメンテナンスソフトウェアの次期バージョンに盛り込むことを計画している。同社幹部は、新製品のインストール作業を効率よく行いたいという顧客の要望により、Change Managementというニッチが生まれたことを強調した。
MaxAttentionサービスは、顧客がSAPのアドバイザーに対し、アプリケーションのパフォーマンスやメンテナンス管理の支援を要請できるというものだ。このサービスプログラムでは、1人または複数のSAPの技術者が顧客の施設へ出向き、終日、自社製品の管理の支援を行う。顧客はまた、高度なソフトウェアプロジェクトに関わる予算編成や計画、管理の調整について、SAPのコンサルタントから支援を得ることができる。
このChange Management用ソフトや新しいサポートパッケージは、自社の製品やサービスを使いやすくしようとするSAPの最近の取り組みを表している。同社は、顧客に対して管理や統合に関する重大な問題をつくり出していると批判されてきたが、複雑な新製品のリリースや頻繁に発表されるアップグレードをIT管理者が処理しやすいように設計したツールを発表し、そうしたイメージからの脱却に取り組んでいる。同社の統合ツールのなかでも最も人気が高いのはNetWeaverと呼ばれるパッケージだが、これには各種のビジネスアプリケーションを変更しやすくし、また他のシステムとの連携機能を向上させるべく設計された複数のプログラムが含まれている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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