NECエレクトロニクスは3月22日、DVDレコーダーの画像・音声データを処理するLSIを1チップに集積したと発表した。製品名は「μPD61181」で、同日よりサンプル出荷を開始する。従来に比べて基盤の大きさを半減でき、低価格化が可能になる。
NECエレクトロニクスではDVDレコーダーの画像・音声データの処理に必要なシステムLSIを自社製品として揃えており、東芝など多くのAVメーカーに採用されている。今回の製品は複数のチップで提供していた機能を1チップに集積し、外部メモリの接続を統合した点が特徴。
サンプル出荷価格は1万円。ただし量産化に伴って低価格化する見通しで、最終的にはシステムコストを現在の半分にしたいと新津氏は話す。
2004年10月より量産を開始し、2005年4月には月産50万個にする計画。これにより「世界シェア30%を狙う」(新津氏)という。製造はNEC山形とNEC九州で行う。製造プロセスは同社のラインが最も多い150nmを採用した。ただし1年後には90nmへ移行してく方針だという。
DVDレコーダー市場は2003年頃から急激に拡大している。NECエレクトロニクスの調査によると、2003年のDVDレコーダーの世界市場規模は約400万台、2004年には1000万台になる見込みだ。NECエレクトロニクスは2003年にMPEG2エンコーダを300万個出荷しており、そのうち約70%がDVDレコーダーで採用されていることから、「約5割の市場シェアを持っている」と新津氏は説明した。
μPD61181では、同社が昨年4月に発表した、デジタル放送の受信とDVDレコーダーの録画再生が可能なシステムLSI「μPD61171」に、デジタルビデオカメラの画像入力ができる1394Linkレイヤ・コントローラLSI「μPD72893B」と画像ノイズを削減する3次元Y/C分離機能をもつ「μPD64011B」を統合した。これにより高画質な映像の記録再生が可能なほか、デジタルビデオカメラの映像をDVDやHDDに記録することもできる。また、従来利用していたソフトウェアはすべて利用できるようにして、ベンダーの開発負担を軽減している。
NECエレクトロニクスでは今後も、1チップに複数の機能を集積していく考えだ。これにより、新しい機能を搭載した高級機の開発を進めるベンダーの要求に応えていくとしている。
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