法廷闘争を繰り広げるLinuxソフトウェアメーカーのLindowsは20日(米国時間)、普通株の新規公開に向けて米証券取引委員会(SEC)に証券発行届出書を提出したと発表した。
同社は、カリフォルニア州サンフランシスコの投資会社WR Hambrechtを幹事として株式公開(IPO)を行う予定だと報告したが、しかしそのスケジュールについては何も示さなかった。Lindowsでは、デスクトップおよびラップトップPC向けのLinux OSや関連サービスを提供している。
SECへの提出書類によると、Lindowsは株式公開で最大5750万ドル相当の普通株を売却する見込みだという。サンディエゴに本社を置く同社は、LINEの銘柄コードでNasdaqに上場される。
提出された書類によると、IPOによって調達した資金の少なくとも5分の1は、Lindowsを設立したMichael Robertsonが同社に出資した1040万ドルの返済に充てられるという。
SECに提出されたS-1書式(登録届出書)では、Lindowsの財務状況の一部も初めて明らかにされている。同社は2003年度に207万ドルの純売上高と408万ドルの純損失を計上。2002年度は、純損失が668万ドル、純売上高が約6万3000ドルだった。同社は現在、総資産が約25万ドルの現金を含めて93万4000ドル、総負債額が470万ドルとなっている。
S-1書式には、Lindowsが依頼した独立系の監査人が報告書の中で同社の存在価値に疑念を抱き、「これまで赤字続きで、また業務関連でキャッシュフローがマイナスになっている点を考えると、われわれが企業として存続できるかどうかについて大きな疑念を抱かざるを得ない」と結論付けた、との記述もある。この報告書によると、IPOによって調達した資金によって同社は「企業として存続できるようになる」という。
今回の発表はLindowsにとって大変な時期に行われた。同社はライバルのMicrosoftと法廷闘争を続けた挙げ句に、先週になって同社の名を冠したオペレーティングシステムの名称を「Linspire」へと変更した。Lindowsの名前がWindowsオペレーティングシステムの商標を侵害しているとのMicrosoftの主張に関して、欧州の裁判所が判決を下したことから、今回の名称変更は予想されたことだった。現在Lindowsは、欧州や他の諸外国の市場ではLinspireの名称を採用している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果