PoEで電源がいらなくなる? ノーテルネットワークスからもPoE対応スイッチ

藤本京子(CNET Japan編集部)2004年03月18日 15時38分

 ノーテルネットワークスは18日、中規模および大企業向けのレイヤー2/3スイッチPassport 8300 Ethernet Switchを発表した。ネットワークのエッジ用途に適した同スイッチは最小構成で421万7000円からとなっており、4月より代理店を通じて販売するという。

 Passport 8300は、Ethernetケーブルから電力供給ができるPoE(Power over Ethernet)機能を備えており、昨年6月に規格が標準化されたIEEE 802.3afに準拠している。PoEは、IP電話機、無線LANのアクセスポイント、ウェブカメラなどの端末に電源を提供できるとして注目されており、同社では昨年3月にもBayStack 460という製品でPoE対応製品をリリースしている。規格が標準化するまでは、802.3af以外にCisco Systemsが独自の規格で製品投入していたが、今後は802.3afに統一されると見られており、各社からも同規格準拠の製品が市場投入されている。

 ノーテルネットワークスのプロダクトマーケティング担当、小松士恩氏によると、「最大384までのPoEポートをサポートできる製品はないだろう」として、Passport 8300の特徴をアピールする。Passport 8300は、最大15.4WまでLANを通して電源供給が可能。また、自動検知機能で電源が必要かどうかを判断でき、電源を供給するにあたって3段階の優先制御ができるという。

 ほかにも同製品は、最大320Gbpsのトラフィック処理能力という高いパフォーマンスが実現できることに加え、スイッチファブリックモジュールの二重化、電源の二重化、モジュールのホットスワップが可能なことなどで、高い冗長性を実現していると小松氏は説明する。セキュリティ機能は、メッセージの送受信、認証、暗号化や管理対象オブジェクトに対するビューごとのアクセス管理を実現するSNMPv3をサポート、ネットワーク上での安全な通信方法を特定するSSHは次期ソフトウェアでサポートする予定だという。また、IEEE 802.1xベースの認証機能も提供している。

Nortel Networksアジアパシフィック地域のLANスイッチング製品マネージャー Scott Fincher氏

 Nortel Networksアジアパシフィック地域のLANスイッチング製品マネージャーのScott Fincher氏は、「現在のエンタープライズネットワークは、アプリケーションやアクセス方法の多様化で複雑になっている。このような状況で必要とされていることは、複雑さを解消し、信頼性およびセキュリティを向上させること。さらに、現在のアプリケーションだけでなく、将来のアプリケーションもサポートしつつ、コストを下げることも必要だ。ノーテルはこのような顧客ニーズを理解し、これを基にした戦略を立てている」とし、同社が昨年発表したServices-Centric Networking(サービス中心のネットワーク)戦略が「高速で、シンプルで、信頼性の高いネットワークを実現する」と主張する。

 ただ、同社の戦略には、現在業界内で他ベンダーが主張していることと特に違いが感じられないのが正直なところだ。販売目標台数など具体的な数字についても明らかにはされなかった。

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