NECは3月11日、同社のストレージ製品の動向と方向性について説明会を行った。「思わぬところに需要がある」(NEC執行役員 大森祐三氏)という同社ストレージ製品iStorageの売上は好調で、国内でのシェアも順調に拡大しつつあるという。
iStorageは、SAN製品のSシリーズ、NAS製品のNVシリーズ(基幹業務用)およびNSシリーズ(オフィスユース用)が用意されている。これら製品は、「構成・時間・場所の仮想化を実現し、NECが独自に開発したTCP/IP処理の高速化およびCPUの負荷軽減のためのTCP/IPオフロードエンジンを搭載するなど、高性能と高信頼性が売りだ」と、NECコンピュータソフトウェア事業本部長の岩岡泰夫氏は説明する。NAS仮想化ソフトウェアは現在開発中で、これにより「複数台のNASを意識せず、業務運用中に容量拡張が可能で、アクセス頻度に応じて自動的にデータを最適配置することができる」と岩岡氏。複数のストレージをシームレスに、かつ業務に支障なく容量を拡張するといったデモも行われた。
ストレージは「メインフレームなどの実績があるNECが力を発揮できる分野だ」と大森氏は述べ、昨年度下期においても営業利益率が全社の平均を上回ったと、同分野が好調であることをアピールした。なお、スイッチ製品はBrocadeのOEMで、バックアップ製品はStorageTekのOEMだという。
ただ、同社のストレージ製品の販売は国内がメイン。海外での目標販売台数は、「今年が200〜300台、来年が500台程度」(大森氏)としている。また、販売に関しても現在直販が8割とのことで、チャネル販売に関しては「現在開拓中」だという。
さらに、同社のストレージ戦略も「ストレージ構成を仮想化して管理を効率化し、機種混在状況でも操作性を統一させて集中管理する。バックアップとリストアの時間を短縮し、災害時にもビジネスに支障をきたさない」といった内容で、他社の主張と特に違いは感じられない。差別化が難しくなるストレージ業界で、今後さらなるシェア獲得に向けてNECはどのような技術や戦略を打ち出してくるのだろうか。
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