ストレージソフトウェア市場の競争が熾烈化する中、IBMは9日(米国時間)、複雑なデータストレージシステムの管理を容易にするソフトパッケージ製品の発売を予定している。
今回IBMが発売する新製品「IBM TotalStorage Productivity Center」は、すでに発売済みのソフト製品2種と、複数のストレージハードウェア機器の操作に主眼を置いた新製品とで構成されており、ストレージ管理者がハードウェアの管理、ストレージネットワークの維持、さらに性能測定結果の分析などを全て一箇所で集中管理できるようにすることを目的としている。
IBMのストレージソフト担当ゼネラルマネジャー、Brian Truskowskiは声明の中で、「(Productivity Centerは)ストレージインフラ管理の集中化だけでなく自動化も行うため、人間が操作する手間が大幅に省ける」と述べ、さらに「その結果、ストレージ管理プロセスにおけるエラーが減少し、さらに各企業が既存のストレージインフラの未開拓の可能性を見つけ出し利用できるよう支援することにより、ストレージハードウェアを増強するサイクルを中断することが可能となる」と語った。
IBMはコンピューティングを水道や電気などの公共サービスと同じように提供しようという、いわゆる「オンデマンド構想」を進めており、今回の新パッケージ製品の発売もその一環である。同社は昨年、ストレージの仮想化、すなわちストレージの管理/利用を改善するためにハードウェアをプールするソフトを発売している。
企業が所有するハードウェアをより効率的に活用し、人件費を削減しようとしているため、ストレージ業界におけるソフトの重要性はさらに高まっている。IBMのライバル企業としては、Veritas SoftwareやEMCなどが挙げられる。EMCは最近、Legato SystemsとDocumentumというソフトメーカー2社を買収した。ストレージインフラ管理用ソフトに関して言えば、EMCとIBMの製品はどちらも甲乙つけ難い。
EMCによると、同社のControlCenterソフトはストレージのプロビジョニング(割り当て)機能を備えているという。ストレージプロビジョニングとは、オンライン上で必要に応じて追加的なディスク容量を割り当てるというもの。
EMC広報担当のDave Farmerは、IBMの新製品について、様々な技術を1つにつぎはぎしたものと述べている。Farmerは「IBMは商品名を変え、さもストレージソフトを統合したかのように見せかけようとしている」と指摘し、さらに「IBMは長年、同社のストレージ製品を集中管理するためにTivoli製品を使おうとしてきたが、この取り組みがうまくいっていない。今回の発表は基本的にその事実を覆い隠すものだ」と語った。
IBMのProductivity Centerには、複数のストレージ機器を管理するための新ソフトの他に、Tivoli Storage Resource ManagerとTivoli Storage Area Network Managerの2種類のソフトが含まれている。Storage Resource Managerはサーバによるストレージ機器の利用を監視/報告し、一方のStorage Area Network Managerは主にスイッチなどのストレージネットワークの分野で利用される。
Productivity CenterはIBMのいわゆるTotalStorage Open Softwareファミリーに属する。この新しい製品群はTivoli製のストレージソフト製品とIBMのシステム部門が開発した仮想化ソフトとで構成されている。IBMは今年始め、2つの部門が開発したストレージソフトを1つの販売組織を通じて販売することを示唆していた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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