IBMは今年、ビジネスパートナー向けのプログラムに10億ドルを投資し、売上拡大とライバル各社からのシェア奪取に取り組もうとしている。
同社は米国時間2日、ネバダ州ラスベガスで開催中のPartnerWorld Conferenceで、ISV Advantage for Industriesという計画を発表した。この取り組みは、IBMの提供するソフトウェアインフラを使って、特定業界向けにカスタマイズしたパッケージアプリケーションを開発する、アプリケーションプロバイダー数を押し上げるよう考えられたもの。
既報の通り、IBMは各業界に特化した自社の営業アプローチへのてこ入れを目指し、医療や金融といった約15の業界に焦点を当てる独立系ソフトウェアベンダー(ISV)に対して、インセンティブを提供することにした。
特定の業界に焦点を当てたこのプログラムは、中小企業をターゲットにした約200社の企業が現在参加する、IBMのISV Advantageプログラムに追加される形となる。ISV/デベロッパーリレーションズのゼネラルマネジャー、Buell Duncanによると、IBMでは最終的には業界ごとに約200〜300社のパートナーを確保したい考えだという。
IBMは、既にSAPやPeopleSoftなどの大手パッケージアプリケーション開発元とは提携しているが、今後は業界の専門知識を持つISVに重点を置く。
「業界に特化したソリューションを求める顧客がますます増えていることから、高い付加価値を提供してくれる(アプリケーション)ベンダーが重要になる」(Duncan)
PartnerWorld Industry Networksと呼ばれる業界に特化したもう1つのプログラムは、マーケティングや技術のリソースを集め、特定業界に属するIBMパートナー間のコラボレーションを促進するものだ。この新しいプログラムでは、6つの業界に整理されたウェブサイトも用意される。
IBMはさらに、中規模企業をターゲットにしたExpressシリーズなど、IBMの特定のアプリケーションの売上拡大を目指すパートナー向けのプログラムも発表するとみられている。
IBMは同日、Tivoli Provisioning ManagerやIntelligent Orchestrator製品を使用するためのビジネスパートナーを視野に入れたガイドライン、Orchestration Provisioning Automation Library(OPAL)も公開した。
IBMのTivoli事業部マーケティング担当副社長、Sandra Carterによると、OPALはサードパーティー製アプリケーションでIBMのプロビジョニングソフトウェアを設定するための、さらに優れたツールをシステムインテグレーターに提供するという。たとえば、OPALはCitrixを初めて実装するときの最適な方法や、サーバのハードウェアを最も効率的に利用できるソフトウェアの導入方法を説明したものだと、同氏は述べている。
同日に行われたさらに別の発表では、IBMは自社のビジネスパフォーマンス管理製品に関する同様のプログラムの詳細を説明したと、同社のScott Hebner(デベロッパーリレーションズ向けマーケティングおよび戦略担当バイスプレジデント)は述べている。ビジネスパフォーマンス管理用ソフトウェアは、企業がほぼリアルタイムにオペレーションの状態を計測し、これを見られるようにするもので、売上高や製造プロセスなどの情報を提供する。同社はすでに6つの業界のビジネスプロセスに特化した「ダッシュボード」をリリースしている。
中規模企業向けの取り組みの一部として、IBMは開発者向けの2つのツールキットのリリースと、中小企業向けアプリケーションを提供するISVを惹き付けるためのプログラム拡大を計画している。同社の見積もりでは、中小企業市場の規模はおよそ3000億ドルという。
2種類のツールキットのうち、Integrated Runtimeは、中小企業をねらったIBMのExpress製品ラインから選んだソフトウェアを1つのパッケージにまとめたもの。この新しいバンドル製品には、WebSphere Application Server Express Javaサーバソフト、DB2 Express データベース兼サーバソフトが含まれると、同社ソフトウェアグループのグループバイスプレジデント、Steve Millsは述べている。
もう一方のツールキットは、現在MicrosoftのビジネスパートナーとなっているISVに対して、IBMのソフトウェアへの移行に役立つよう設計されたユーティリティソフトだ。
この記事は海外CNET Networks発の ニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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