NetScreen Technologiesは2月10日、SSL-VPN製品の新シリーズとしてNetScreen Secure Access(NS-SA)シリーズを発表した。これは同社が2003年10月に買収を発表したNeoterisのAccess Seriesの後継製品となる。
SSL-VPNはウェブブラウザのSSL(Secure Socket Layer)機能を利用して暗号化通信を行い、自宅や外出先などから企業のイントラネットに安全に接続する技術。IPsec VPNよりも導入が簡単なことから、急速に市場を拡大させている。
NetScreen Technologiesマーケティング担当シニア・ディレクタのポール・セラノ氏 | |
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米市場調査会社Frost & Sullivanの予測によると、SSL-VPNの世界市場は2003年で9000万ドル、2004年が2億200万ドル、2006年には5億ドルを超えるという。Neoterisは2003年上半期に36%とトップシェアを占めた企業だ。ただし、昨年後半からこの巨大な市場を求めてCisco SystemsやCheck Point Software Technologies、Symantecなど大手企業が相次いで参入しており、競争は激しくなっている。
NS-SAシリーズでは新たな機能としてアクセス権限管理機能が強化された。NetScreen Technologiesマーケティング担当シニア・ディレクタのポール・セラノ氏によると、「顧客の要件が多岐に渡っており、ユーザーをいかに細かく認証できるかが重要になる。Neoterisの技術を使えば、より簡単にユーザーを見分けることが可能になる」と説明する。新製品では従業員や顧客、パートナー企業といったユーザーの属性やアクセスする場所、端末の種類などに応じて様々な認証ポリシーを設定できる。そのため、1人のユーザーであってもアクセス環境によって利用できる機能を制限するといったことが可能になった。また、複数のアドミニストレータがいる場合に、業務に応じて権限を変えるロールベースの委任管理機能や、集中管理機能やなども備えている。
国内で販売される製品は中小企業向けのNS-SA 1000、エンタープライズ向けの同3000、大規模エンタープライズ向けの同5000の3モデル。いずれも基本機能のみのBaselineと、カスタマイズ可能なAdvancedがある。価格はSA-1010(同時アクセス50ユーザ)の場合、199万円から。2月16日より代理店を通じて販売する。1次代理店には従来Neoterisの製品を取り扱ってきたマクニカ、高千穂交易に加え、NetScreenの代理店であるノックス、ジェイズ・コミュニケーションがあたる。初年度の販売目標は400台。
NetScreenではIPsec VPN製品も取り扱っており、SSL-VPNとは競合するようにも見える。しかしNetScreen Technologiesシニア・プロダクト・マネージャーのジョニー・コンスタンタス氏は「IPsec とSSL-VPNは補完的な製品だ」と説明する。同氏によると、IPsecは本店・支店間などの拠点間接続に適しており、SSL-VPNはリモートアクセスなどに適しているという。NetScreenでは両製品を組み合わせて販売していく方針だとした。
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