トレンドマイクロは1月15日、ネットワークセキュリティ機器メーカーのNetScreen Technologiesと共同で開発したセキュリティアプライアンス製品を日本でも販売すると発表した。米国と同様に、同一のアプライアンスを両社それぞれのブランド名で販売する。
今回発表された製品は、トレンドマイクロのウイルス対策機能のほか、ファイアウォール、VPN機能を統合したセキュリティアプライアンス。トレンドマイクロからは「Trend Micro GateLock Remote Appliance」(以下GateLock)、ネットスクリーン・テクノロジーズ・ジャパンからは「NetScreen-5GT」という名称で販売される。
トレンドマイクロ 代表取締役社長 兼 CEOのスティーブ・チャン氏 | |
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トレンドマイクロは2003年5月にNetScreenとの協業を発表。その後米国では2003年11月に、両社の提携関係から生まれた最初の製品として今回の製品が発表されている。米NetScreen Technologies社長 兼 CEOのロバート・トーマス氏によると、「すでに数千台が市場に出ている」という。
新製品の主なターゲットは2つ。1つは、各地に散らばった大企業の支社・支店だ。トレンドマイクロ 代表取締役社長 兼 CEOのスティーブ・チャン氏によると、ウイルスに感染した企業が駆除に成功した後、感染したままの各拠点からの接続をうけてウイルスに再感染する割合は60%に上るという。このようなことを防ぐため、拠点のクライアント管理には専用線が使われていることが多いが、専用線は導入コストが高く、回線速度が遅い。今回の新製品を利用すれば、ADSLなどの高速・低価格な回線を利用したVPN接続が可能になる。中央集中型のリモート管理機能を備えているため、本社側からは専用管理コンソールを使って各拠点のファイアウォールの設定やログの監視が行える。
もう1つはSOHOなど小規模で専任のIT管理者がいない企業だ。この場合、SIerやマネージドサービスプロバイダが同製品を利用し、リモート監視サービスの一環として提供する。トレンドマイクロ マーケティング本部 本部長の糸賀誠氏は具体的な名前を明らかにしなかったものの「すでにサービスの提供を表明しているパートナー企業もある」とした。
トレンドマイクロからは、GateLock 3000、同5000の2機種が販売される。GateLock 3000は接続可能なクライアント数が最大5ユーザー、VPNが1トンネルなのに対し、GateLock 5000はクライアント数が最大10ユーザー、VPNは最大10トンネルとなっている。また、GateLock 5000は不正侵入検知防御機能も備えている。本体および1年間のサポートサービスを含んだ価格はGateLock 3000が9万2000円、同5000が14万8000円。いずれも2月16日に販売開始される予定で、既存のパートナーを通じて販売されるほか、新規パートナーの開拓も行っているという。両製品を合わせて、今後1年間で8000本の販売を予定している。
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