日本IBMとアドビ システムズは2月2日、企業・官公庁向けの電子申請システムに関して協業すると発表した。両社の製品を組み合わせて提供するほか、販売チャネルの開拓も共同で行う。これは2003年10月に米IBMと米Adobe Systemsが行った提携に基づくものだ。
両社は日本IBMのDB2 Content ManagerとアドビのReaderやForm Serverを組み合わせ、従来紙ベースで行われていた申請業務をすべてオンライン上で処理できるようにする。ドキュメント形式にはPDFを採用し、IBMとアドビの製品間ではデータをXML形式でやりとりする。電子署名を付与したり、申請書類にファイルを添付したりすることも可能。DB2 Contents Managerを利用することで文書ファイルや画像データと申請データを一元管理できるという。
アドビ システムズ代表取締役社長の石井幹氏 | |
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両社では金融保険業や官公庁を主なターゲットとしており、両社のパートナーを通じて販売活動を行っていく。アドビ システムズ代表取締役社長の石井幹氏によると、「販売面まで含めて大規模に協業を行うのは今回が初めて」という。
電子申請システムは日本政府がe-Japan構想の中心として掲げており、現在多くのIT企業が力を入れている分野だ。官公庁のシステムは国内ベンダーが受注することが多いが、両社ではNECソフトや日立ソフトウェアエンジニアリングなど国内市場に強いパートナーとの関係を強化し、市場開拓を狙う。
アドビではForm ServerとContent Managerを連携させるコネクタも開発する。Form Serverにバンドルさせ、「Adobe Form Server for IBM」として今年下半期から市場に投入する予定。価格はオープンプライス。
また、両社はSAPのERPパッケージソフト、R/3の帳票をPDF形式で作成し、DB2 Content Managerで他のコンテンツと共に一元管理するソリューションを同日より提供することも発表した。企業は財務関連文書の保存が義務づけられているが、これを電子データでも可能とする法案が現在国会に提出されている。新製品はこの動きを踏まえたものだ。アドビのOutput Pak for mySAP.comとIBMのDB2 CommonStore for SAP、DB2 Content Managerを連携させる。価格はオープンプライス。なお、いずれの製品も販売目標数などは明らかにされなかった。
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