米IBMは10日(米国時間) 、Adobe Acrobatで作成された文書のセキュリティ強化を目的とした、米Adobe Systemsとの提携を発表する見込みだ。
Acrobatを使って作成したportable document format(PDF)形式のフォームやその他のデータ類は、IBMが最近出した全てのデスクトップPCおよびノートPCに内蔵されるセキュリティチップを利用できるようになる。また、embedded security subsystemと呼ばれるIBMのシステムを電子署名データの保存に使うことができるのも特徴で、これによりPCのハードディスク内に署名データを保存する一般的なものよりも、高度なセキュリティレベルを実現できるようになる。
「このセキュリティチップの根本的な価値は、デジタル署名を含むあらゆる種類の情報を守るための、セキュアな情報の貯蔵場所をPC内に設けることに、これを使えることだ」と、IBMクライアントセキュリティのプロダクトマネージャーであるStacy Cannady。「そういった情報をハードディスクのどこかに保存していれば、他者がそれを見つけ出し盗む可能性がある。もしセキュリティチップを使うなら、同じようにチップから情報を読み出せるのは本人だけだ」(Stacy Cannady)
Adobeは最新のAcrobat製品に新しい対話型の特徴を持たせ、PDFフォームやその他のPDFデータにデジタル署名を追加する機能もサポートしている。
電子署名は素早く効率的なデータのやりとりを可能とし、紙の文書を作成する必要をなくすことができる。しかし、企業や政府は電子署名の有効性を確信しない限り、電子署名を使うことを疑ってかかるだろう、とCannadyは語る。
「企業は、電子取引技術を使ってお金を儲けることができると、実際理解はしているが、デジタル認証の盗難や派生的な詐欺を恐れている。われわれのセキュリティチップを使うようなアプローチをとれば、企業がデジタル署名を使うことにもっと自信が持てるようになると、我々は考えている」(Stacy Cannady)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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