シスコシステムズは1月29日、ブロードバンドサービス用メトロエリアネットワーク(MAN)をターゲットとしたメトロイーサネットスイッチング製品とメトロイーサネット用オプティカル製品の新商品および機能拡張を発表した。
シスコがメトロイーサネット製品を拡充したのは、移り行く市場背景がある。現在の企業ネットワークは、専用線やATMといったレガシーサービスから、低コストで高速なIP-VPNや広域イーサネットなどのサービスへと移行している。また、これらのブロードバンドサービスを支えるMANやアクセス回線はイーサネットベースへとシフトしている。そのため、ネットワーク製品に求められることとして、増え続けるトラフィックに対応できる拡張性、止まらないネットワークを可能にする可用性、拠点間トラフィックを安全に扱うセキュリティ、ストレスのないアプリケーション通信を実現するための優先制御といった機能が重要となってくる。今回発表された同社製品は、これらの機能を実現するものだという。
シスコシステムズ市場開発担当執行役員の山中理恵氏 | |
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メトロイーサネットスイッチング製品の新商品として発表されたのは、Cisco Catalyst 3750 Metroだ。既存のCatalyst 3750製品をメトロイーサネット対応とした同商品は、MPLS(Multi Protocol Label Switching)などのインテリジェンス機能で他社と差別化を図っているという。同じくスイッチング製品であるCisco Catalyst 6500/Cisco 7600では、VLAN ID変換やCoSマッピング、DSCPトランスペアレンシーといった機能が追加された。
一方メトロイーサネット用オプティカル製品には、光伝送装置のCisco ONS15454シリーズ用のRPR(Resilient Packet Ring)対応データカードと、10GビットイーサネットLAN-PHYにおける長距離WDM伝送を可能にする伝送カードが追加される。また、Cisco ONS15454には、TDM伝送に加え、イーサネット、IP、ストレージ等のデータ伝送と長距離WDM伝送を同一シャーシ内で実現する機能が加わる。
シスコシステムズ市場開発担当執行役員の山中理恵氏は、「イーサネット回線で望まれることは、すでにベストエフォート型から保証型のサービスへとシフトしてきている。また、速度のみならず冗長性やセキュリティなどのサービス品質が重要だ」と述べる。同氏はまた、調査会社によるデータを紹介し、メトロイーサネット機器の世界市場規模が2004年の23億ドルから2007年には43億ドルとなることを指摘、急成長を続ける同市場で、「シスコは今後もトラフィックの用途に応じた効果的な製品を提供していきたい」と語った。
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