Cisco Systemsはビデオ用のゲートウェイ製品を開発した。これにより、CATV会社はこれまでより簡単にデジタルビデオを配信できるようになるという。
この製品は、直交振幅変調(QAM)と呼ばれる圧縮技術を使うもの。QAMは、IPネットワーク経由のビデオ配信効率を改善する技術だ。Ciscoによれば、ビデオのトラフィックを圧縮することで、CATV業者は自社のネットワーク容量をより効率的に活用でき、またビデオ配信コストを下げられるという。
今回発表された製品は、スタンドアロン型のCisco uMG9820 QAM Gatewayと、Cisco uMG9850 QAM Moduleの2つ。ゲートウェイのほうは小規模な利用に適し、一方モジュールのほうはCatalyst 4500 イーサネットスイッチに適合し、大規模利用または複雑なアーキテクチャに適している。どちらも、ギガビットイーサネットの通信ネットワークと、ハイブリッド型のファイバー=同軸ケーブルのネットワークの間にインストールされ、IP-to-MPEG 2ゲートウェイとして機能する。
2月に出荷開始予定のこの新しいハードウェアを使えば、CATV業者は1台につき240本のビデオストリームを配信することが可能になる。
今回の発表は、Ciscoがビデオオンデマンド(VOD)戦略の第二段階に突入することを意味する。2003年5月、同社は次世代のDigital Video Network向けソリューションを正式に発表した。この製品ポートフォリオは、Catalystギガビットイーサネットスイッチ、ONSマルチサービススイッチングプラットフォーム、QAMゲートウェイで構成されている。
CATV業者や電話会社は、VODサービスにますます力を入れてきており、契約者が好きな時間に映画を注文できたり、また配信されてくるビデオを家庭で録画したものと同様に扱えるようにしようとしている。通常の有料サービスとは違い、VODでは、注文した映画やTV番組のシーンの一時停止や巻き戻し、早送りができる。
業界ウォッチャーは長年、この技術は大きな収益源となる可能性があるといい続けてきたが、一方でこの技術には問題もあった。
CiscoのQAMゲートウェイは、少なくともひとつの技術的問題の解決に役立つはずだ。高品質のビデオ配信は大容量の回線を必要とするため、ネットワークの機能低下を引き起こす原因になりかねない。回線の帯域幅を有効活用できる送信機器なら、この問題の軽減に役立つはずだ。
しかしアナリストは、VODにはほかにも解決すべき問題があると言う。大半のCATV業者は、デジタルでのダウンロードをサポートするためにアクセスネットワークを更新する必要がある。さらに、VODを提供するサービスプロバイダは、VCRやDVD、個人のビデオレコーダー、そして標準的なケーブルや衛星放送とも競争しなければならない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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