インテルは23日、都内にて記者会見を行い、同社のエンタープライズ分野における今後の戦略と展望について説明した。そのなかでインテル エンタープライズ&ネットワーク・ソリューションズ本部 プラットフォームマーケティング部長の小山信寛氏は、「Itaniumプロセッサの性能はムーアの法則の2倍以上のスピードで進化する」と述べた。
ムーアの法則を上回るパフォーマンスが可能となる理由はいくつかある。同一ダイ上のコアがマルチ化され、さらに同一コア上におけるスレッドもマルチ化されるにつれ、処理能力が倍増することや、そして各コアでの明示的並列化(EPIC:命令間の依存関係を予測し、明示的に記述すること)が実現されることで、並列実行の効率を上げることができることなどだ。マルチコア化については、2005年に登場予定のMontecitoがデュアルコアを採用し、その後登場する次世代のTukwilaでマルチコアが採用されるという。
インテル エンタープライズ&ネットワーク・ソリューションズ本部 プラットフォームマーケティング部長 小山信寛氏 | |
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Itanium 2においては、32ビットアーキテクチャ用のコードを動作させる際にはパフォーマンスが課題とされてきた。これを解決するために、インテルはすでにエミュレーション技術で32ビットアプリケーションをサポートするWindows向けIA-32 Execution Layerの配布を開始している。小山氏によると、今年中にRed Hatが同様のエミュレーション技術を同社Linux製品の中に採用する予定で、SuSEも現在同様の計画を立てているという。
進化するのはItaniumだけではない。Xeonプロセッサも2003年までに、ハイパースレッディングテクノロジや、クロックスピードを向上させるためのNetburstマイクロアーキテクチャ、さらにマルチメディア関連技術を処理するためのSSE、SSE2命令を採用するなど、順調な進化を遂げてきた。2004年のXeonは、さらなる機能強化としてPNI(Prescott New Instruction)命令を採用すること、プロセッサのバスが533MHzから800MHzへと向上すること、PCI Expressをサポートすること、電力管理テクノロジーを採用することなどが予定されている。また2005年以降には、現在ハイエンド製品でのみ採用されている仮想化機能がXeonで実装され、ラック型の電力管理機能も強化されるという。
同社エンタープライズ&ネットワーク・ソリューションズ本部本部長の町田栄作氏は、IDCの調査結果を元に「2003年はIAサーバの売上げがRISCの売上げを初めて上回った」と述べ、エンタープライズとハイパフォーマンスコンピューティング分野でRISCからIAサーバへの移行が顕著であることを指摘する。特にItanium 2が成功した要因について、町田氏は「スピードや性能ももちろんだが、使えるアプリケーションが1000種類以上と1年で約3倍にまで増加したことや、インテルがユーザーのニーズに応えて“使えるソリューション”を提供した結果だ」という。
インテルは、2004年第1四半期にマルチプロセッサ対応のXeonのレベル3キャッシュを4Mにするとしており、ほかにも機能強化されたデュアルプロセッサ対応Xeonの新商品発表、インテルのブレード製品(コードネームMcCarran)の発表を予定している。さらに第2四半期には、次世代XeonプロセッサであるNoconaが登場する予定だ。
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