Nokiaは、IBMとの間でアウトソーシング契約を締結した。この契約で、IBMはヘルプデスクの運用とデスクトップPCのサポート業務を代行する。
両社の提携は16日米国時間に発表されたもので、契約期間は5年間で約2億ユーロ(約2億5100万ドル)の規模となる。Nokiaは、全世界の同社従業員5万7000人を対象にした、ヘルプデスク、コールセンター、ソフトウェアサポートに関して、利用ごとに課金されるモデルを採用する。また、この提携で、多数の国で働く約430人のNokia従業員がIBMに加わる。
Nokiaによると、IBMへのアウトソーシングの目的は、中核事業とIT関連業務に注力し、サービスの柔軟性とコスト削減を実現することにあるという。これは、事業拡大を進めるNokiaが、デスクトップPCを戦略的ツールというより、コモディティと見なしていることを示すものだ。
Hewlett-Packard(HP)や他の大手IT企業は、Nokiaのような企業からの契約受注を目指し てしのぎを削ってきた。一方、IBMは先頃、今回Nokiaと結んだものと同様の、PCおよびソフトウェア保守管理契約を、Electrolux、Zurich Financial Services、ABBの各社からそれぞれ受注している。
IBMにとって、NokiaやElectroluxからの契約受注は、自社で進めるユーティリティコンピューティングの取り組み(同社では「オンデマンドコンピューティング」と呼ぶ)を宣伝する良い機会でもある。オンデマンドのモデルでは、顧客企業はハードウェアやサービスを必要に応じて借り受けるため、先に機材を購入したり、追加の経費を負担したり、管理の問題に悩まされるといったことがなくなる。
「今回の提携により、我々はオンデマンドサービスを通じて、IBMの最新技術をNokiaのビジネスに取り入れることができる」と、NokiaのBusiness Infrastructure部門バイスプレジデント、Gordon Jackは声明の中で述べている。
市場調査会社のIDCは先週、ユーティリティコンピューティング関連製品への支出が、2003年の10億ドルから、2007年には約46億ドルに達するとの予測を発表した。IDCや他の調査会社は、ユーティリティコンピューティング関連の契約が、ITベンダーにとって、既存の顧客企業との関係維持や、契約に含まれない製品の販売に役立つと指摘している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」