グーグルのAdSense、広告主・サイトオーナー・ユーザー3者のウィン・ウィン・ウィン関係を強調

藤本京子(CNET Japan編集部)2004年01月14日 17時15分

 グーグルは1月14日、米国にて昨年6月に発表した広告プログラムAdSenseを日本で正式に開始すると発表した。すでに先月より同プログラムのパートナーとしてニフティ、インプレス、リクルート・アバウトドットコム・ジャパンがAdSenseの提供を開始しており、14日付けでNECのBiglobeが、さらに来月より時事通信社においても同サービスが提供されることになる。

 AdSenseは、米Googleがコンテンツターゲット広告として提供していたサービスを拡大したもの。コンテンツターゲット広告ではGoogleがコンテンツサイトと契約し、サイトの内容を解析したうえでサイトにあったテキスト広告を掲載するという形式を取っていた。AdSenseと名称を改めたこのサービスでは、これまでのように広告が掲載されるサイトがパートナーサイトに限定されることなくすべてのサイトが対象となる。自社サイトにAdSense広告の掲載を希望するサイトオーナーは、オンライン上で申し込むことも可能だ。

グーグル セールス&オペレーションディレクター、佐藤康夫氏

 「これまでオンライン広告には、広告主、サイトオーナー、ユーザーそれぞれの課題があった。それを解決するのがAdSenseだ」と説明するのは、グーグルのセールス&オペレーションディレクター、佐藤康夫氏。その課題とは、「広告主はより優れた広告効果を望み、ユーザーへの高いリーチ率を期待している。サイトオーナーは、トップページの広告は埋まっても、サイト細部の広告は埋まらないという問題を抱えており、さらにサイトの内容に的確にマッチした広告を掲載することが困難だという課題もあった。またユーザーは、希望しない内容の広告が表示されても興味を持つことができず、ポップアップなどの広告に対しては不快感を覚えることもあったはずだ」と佐藤氏。

 だがAdSenseを採用することで、「広告主はグーグルの検索サイト上のみならず、提携検索サイト、提携コンテンツサイト、さらには小規模でも的を射たコンテンツサイト上での広告掲載が可能となり、リーチが広がる。サイトオーナーにとっては広告収入を拡大することができ、ページビューの少ないサイトの細部の広告をAdSenseに任せることで、サイトのコアビジネスに集中することができる。ユーザー側も、ターゲットを絞った広告には興味が持てるうえ、サイト閲覧の邪魔にならないテキストベースの広告でより優れたインターネット体験ができる」(佐藤氏)

 今回の発表会に同席したニフティ、インプレス、リクルート・アバウトドットコム・ジャパンなどの提携サイトは、グーグルにとってのプレミアムパートナーとなり、専属の担当者や技術担当者がサポートにあたる。プレミアムパートナーは月1000万ページビュー以上のサイトが対象となるが、例えば小規模のコンテンツサイトや個人事業主などでもオンライン上でサービスを申し込み、グーグルがサイト内容を審査したうえで承認されれば広告の掲載が可能となる。オンライン登録は先月より開始しており、すでに数百社の申し込みがあったという。広告収入は、コンテンツサイトとグーグルとで分配するが、比率は「ケースバイケースで、50%ずつというわけではない」(佐藤氏)としている。

 AdSenseでは、同社の検索技術を駆使し、コンテンツサイトの内容が変わった場合も自動的にそれを認識し、変更後のサイト内容に合った広告が掲載されるようになる。また、競合サイトの広告はフィルタリングで排除するとともに、ニュースなどでは死亡記事や惨事など広告表示に適さないページに広告が掲載されないようにする。内容の解析もサイトの奥深くまで自動で行うため、深い部分ほどターゲットに合った広告を掲載することができるという。「この柔軟性が他社のサービスとの違いであり、われわれがこれまで培ってきた検索技術を応用できる強みだ」と佐藤氏は述べた。

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