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米リアル、社運を賭けた新プログラムと音楽ダウンロードサービス発表

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 米RealNetworksは7日(米国時間)、同社のデジタルオーディオ/ビデオソフトの全面的な見直しを発表し、併せて米Apple ComputerのiTuneサービスと対抗する音楽ダウンロードサービスを立ち上げたことも明らかにした。

 Realは、自社の新しい音楽再生ソフトウェア、RealPlayer 10の持つ柔軟性が、ますます多くの企業が参入しているデジタル音楽ダウンロード市場で、競合する音楽販売サービスやソフトウェア製品との差別化要因となることに賭けている。

 この目標に合わせて、同社はあらゆるメディアフォーマットに対応するジュークボックスソフトを開発した。このソフトでは、自社の音楽販売サービスで利用するフォーマットをはじめ、競合他社のもの--AppleのiTunes Music Storeからダウンロードした楽曲さえも再生できる。

 同社は、ラスベガスで開催中のConsumer Electronics Show(CES)で、RealPlayer Music Storeというこの新サービスの発表を行った。

 RealPlayer Music StoreはRealPlayer 10に直接組み込まれており、値段や品揃えの点でもライバル各社のサービスと似たものになっている。1曲当たりの値段は99セントで、約30万曲を取り揃えており、今後さらに多くの曲を提供していくという。

 RealPlayer 10は、同社Webサイトから無料でダウンロードできる。

 アナリストらは、RealがAppleや米Napsterなどとの厳しい競争に直面することを認めている。だが、「これさえあれば、全てに対応できる」という再生用プログラムを提供するRealのアプローチが、競争が激しく、混乱気味の市場においては歓迎すべき技術革新であり、さらに楽曲のフォーマット、再生用プログラム、そして携帯型音楽プレイヤーの各分野で欠けている互換性の問題を解決する、そのための方向性を示せる可能性もあると述べている。

 Realが7日に行った発表は、同社にとってここ数年で最大の技術的な転換といえる。

 同社は昨年末に、米Microsoftに対する独占禁止法違反の訴訟を起こしているが、今回の新製品リリースや新サービス開始は、この訴訟と共に、同社のマルチメディア事業に勢いを取り返すことを狙いとしたものだ。MicrosoftやAppleの影響で、同事業はしばらく落ち込み続けてきている。

音楽関連技術の見直し

 音楽関連では、Realはいくつかの点で大幅なアップデートを行っている。

 RealPlayer Music Storeで販売される楽曲には、AAC(Advanced Audio Coding)フォーマットを採用した。AACはMPEG(Moving Picture Experts Group)が開発したオープンな標準だ。しかし、配信される楽曲はReal独自のDRM(デジタル著作権管理)技術Helixで保護されており、そのためダウンロードした音楽を再生できるプレーヤーやソフトウェアの数は限定されることになる。

 同社はまた、RealAudioコーデックのマルチチャネル対応バージョンもリリースしたが、これはDVDソフトで使われる5.1chオーディオのような機能や、新しい自社開発フォーマットのハイクオリティ版をサポートするものだ。この製品にはRealAudio 10という名が付けられている。

 新しいビデオフォーマットであるRealVideo 10も、7日にリリースとなった。Realの説明では、RealVideo 10はこれまでの製品に比べて、30%も圧縮効率が改善しているという。この新フォーマットを使えば、コンテンツの提供者はDVDレベルの高画質なビデオを、平均1Mbpsのネットワーク回線を通じて、ストリーミング配信できるという。

 「合法的な映画のオンライン配信は、多くの人間が考えているよりも早い時期に、ビッグビジネスになると思う」と、同社マーケティング担当のシニアバイスプレジデントであるDan Sheehanは述べている。「現在のブロードバンド回線程度の帯域幅があれば、映画配信がビッグビジネスになるのも夢ではない」(Sheehan)

 RealPlayerは、かなり大幅に作り直され、AppleのiPodを含む各MP3プレーヤーに楽曲を転送できる機能や、いくつかの新フォーマットをサポートする機能が新たに付け加えられている。

QuickTimeの力を借りる

 iTunesでダウンロードした楽曲をサポートする機能は、論争の的になりそうだ。しかし、Realでは、この機能がよく知られたQuickTime技術の仕組みを利用するだけで、iTunesの楽曲を違法コピーから保護するDRM技術を破る必要はないと説明している。

 RealPlayer 10は、QuickTimeおよびiTunesのコンテンツ認証プロセスをバックグラウンドで起動する。つまり、iTunesでダウンロードした楽曲をRealPlayer 10で再生するには、先にパソコンにiTunesをインストールしておく必要があり、また特定の曲に対する再生用の認証を受けていなくてはならない、ということになる。

 「DRMを破ることが正しいとは思わない。我々は著作権保持者と一緒に働いており、また自分たちでもDRMソフトをつくっているのだから、それくらいのことはわきまえているつもりだ」と、同社コンシューマー製品担当のゼネラルマネジャー、Ryc Browniggは述べている。

 RealのソフトウェアがiTunesの楽曲をサポートすることについて、Appleからのコメントは得られなかった。

 音楽のダウンロード配信に重点を置くRealPlayer Music Storeは、これまでずっとストリーミング配信のほうに比重を置いてきていたRealにとって、過去との決別を意味するものとも言えよう。

 同社も、他社同様に音楽販売自体から上がる利益には、大して期待していない。楽曲に対するライセンス料、配信コスト、そしてクレジットカード会社に払う手数料を差し引けば、ほとんど何も残らないからだ。

 だが、Realは、コンシューマーが1曲ごとに料金を支払う販売モデルを通じて、デジタル音楽サービスに馴染めば、ゆくゆくは、月額10ドルで好きなものをどれでも選べるRhapsodyサービスの定額モデルにも食指を動かされるのではないかと期待を抱いている。

 アナリストらは、RealPlayer Music Store自体の成否はまだわからないものの、ますます混乱が深まるこの市場に、他のフォーマットにもオープンな、新世代のソフトウェアを投入すれば、コンシューマーはよい反応を示すはずだと述べている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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