米マイクロソフト、Linuxに対抗する広告キャンペーンを展開

 米MicrosoftがLinuxを攻撃するマーケティングキャンペーンを展開し始めた。これは、同社サーバシステムの売上に対して、オープンソースのソリューションがますます大きな脅威となっていることを示す証だ。

 Microsoftは5日(米国時間)、グローバルな広告キャンペーンを米国内で開始した。これは、企業のIT管理者に向けて、Windows以外の製品を購入する前には、Linuxに関する「事実を知って」おくよう促すものだ。同社は、印刷媒体やオンラインでの広告を主要な技術系メディアで展開する予定で、例えばComputer World、Information World、Network World、そしてNews.comの配信元であるCNET Networksなどで、約18ヶ月にわたって広告を流す。

 Microsoftは、このキャンペーンに投入する金額については明らかにしていない。

 この広告のなかには、「Get the Facts on Windows and Linux」(「WindowsとLinuxについての事実を知ろう」)と題したウェブサイトへと読者を誘導するためのURLが書かれている。そして、同サイトではMicrosoft Windows Server Systemのライセンス取得のコスト面でのメリットを、Linuxベースのソリューションと比較した調査結果を掲載している。ただし、その調査のほとんどは、Microsoftが外部に委託して行わせたものだ。

 「これまで、Linuxに関する決断の理由はより感情的なもので、例えば『Microsoftは好きじゃない』というようなものだった」と、同社プラットフォーム戦略担当のジェネラルマネージャー、Martin Taylorは説明する。

 「Linux関連の市場には誤った考えが数多く存在する。そして、我々のこの試みは、Linuxを所有する場合の総コスト(TCO)に関する事実を、Microsoft Windowと関連付けることで、人々がきちんと理解するようにすることだ」(Taylor)

 Microsoftがこの種の広告キャンペーンを展開して、Linuxに直接攻撃を仕掛けるのは初めてのことだ。これに関して、アナリストらは、Microsoftがたとえば増加中のサーバシステムの売上げのような、自社の利害を守ろうとしている証だと指摘する。数百ドルもするMicrosoft製品のライセンス料よりも安価なライセンス料に惹かれて、企業各社がLinuxを導入すれば、Microsoftは新規顧客の減少の可能性に直面することになる。

 「Microsoftは、Unixから(他のOSへ)移行する企業を獲得することで、今後2年間にわたり、この分野での成長を支えようとしており、そしてLinuxはMicrosoftのこの計画をぶち壊しにしようとしている」と、米Directions on Microsoftのリサーチ担当ダイレクターRob Helmは説明している。

 「このキャンペーンは、サーバ用OSとしてLinuxの導入を検討中の企業に、真正面から照準を合わせたものだ」(Helm)

 Microsoftは、Linuxを導入しても大したコスト削減にはならないことを示して、Windows Server Systemの採用を働きかけようとしている。Linuxは、初期のライセンス料は安いかもしれないが、教育、サポート、統合などの形で各社が負う総コストは、長い目で見るとMicrosoft製品より高い、と同社は主張している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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