米Red Hat、米IBM、そしてオープンソースコンソーシアムはそれぞれ、デスクトップでのLinuxの利用に関して、本格的な取り組みを始めている。
ボストンで開催中のDesktop Linuxカンファレンスで、Red HatとIBMは、自社のデスクトップLinux戦略について詳細を発表した。また、これまでサーバでのLinux利用に重点を置いてきたOpen Source Development Lab(OSDL)は、新しいグループを立ち上げ、来年からデスクトップ用Linuxに関する課題に取り組むとみられている。
Linux陣営で影響力を持つこの3者が、デスクトップ分野での利用を想定した開発に取り組むことで、同オープンソースOSは、米Microsoftにとってより一層の脅威となる可能性がある。Microsoftは、Linuxの脅威を認めているが、新しいWindowsを以てすれば、自社の支配力を今後も維持できると主張している。
ミュンヘン市による1万4000台のLinuxデスクトップコンピュータの購入契約に見られるように、デスクトップコンピュータでのLinuxは、ある程度の成功をおさめている。
OSDLは、Linuxの生みの親で開発リーダーも務めるLinus Torvaldsが働くコンソーシアムだが、同団体では年明け早々に専門の委員会を設置して、デスクトップLinuxの研究に取り組む予定だ、と同マーケティングディレクターのNelson Prattは述べた。さらに、ゆくゆくはワーキンググループを設立し、さまざまな課題について調査するという。
業界大手が資金を提供しているOSDLでは、Linuxに関連するどの部分を研究すべきかについて、参加企業や各社の製品を使用しているユーザーからの意見を採り入れている。
Red HatはOSDLの参加メンバーだが、自社には企業ユーザー向けのOSを改善するための独自の計画があるという。これは、同社OS開発担当バイスプレジデントのBrian Stevensが、ボストンでのカンファレンスで行ったプレゼンテーションのなかで述べたもので、具体的には以下のような改善に取り組んでいるという。
これまでサーバ用のLinux採用を進め、今度はデスクトップLinuxにも目を向けているIBMも、予想どおり、このカンファレンスでプレゼンを行った。IBM Global ServicesグループのSam Docknevichは、Microsoftの存在こそ、顧客がLinuxを考慮すべき理由だと述べた。
「Microsoftが示す開発ロードマップ通りに製品を買い換え、同社のソフトを使い続けるためには、顧客はどうしても.Netに移行しなくてはならなくなる。だが、これに伴って新たに発生するトレーニングおよびソフトウェア開発用のコストは、かなりの額に上る」と、Docknevichはプレゼンテーションのなかで説明した。Microsoftの.Netイニシアチブとは、次世代のインターネットサービスやその他の大きな変更点を利用するソフトウェアの、新たな土台を提供するものである。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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