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米IBM、高分子の自己集合を用いたチップ構築に成功

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 米IBMは、半導体に回路を「描く」コストを大幅に削減する可能性のある、新素材の開発に取り組んでいる。この素材は、テニスシューズに用いられる接着剤の親類にあたるものだ。

 IBMの研究者らは、今週ワシントンD.C.で開かれる「International Electron Devices Meeting」で、微小かつ精密で予測可能なパターンに自己集合する高分子の開発方法についての論文を発表する。自己集合によって得られる六角形のパターンは、シリコンウエハに回路を張りめぐらす際の刷り込み型として利用できる。

 IBMはこの成果を実証するため、シリコンナノクリスタルを含む、フラッシュメモリに似たチップを構築した。シリコンナノクリスタルとは、トランジスタ内の薄い層で、メモリチップが電力を保持したり、データ破壊を防ぐための役割を果たしている。

 「我々がセルフアセンブリを用いた電子機器を発表するのは、これが初めてだ」とIBM Reseachの研究スタッフで、このプロジェクトの主任科学者の1人である、Chuck Blackは述べている。

 将来このプロセスを大量生産ラインで使えるようになれば、半導体メーカーが直面している大きな課題の1つである、平版プリント技術のコストと複雑さの問題が解決されるだろう。現在、チップ上にある数百万個のトランジスタなどは、平版プリント(リトグラフ)用の機械を使って個別に描き出さなければならない。平版プリントに用いる機械は、精密なレーザーやレンズ、振動制御装置などで構成される巨大なもので、それぞれ1500万〜1800万ドルもする。

 平版プリント技術は複雑なため、技術の進歩に長い時間がかかることが多い。

 分子が、自らに備わった性質にしたがってパターンを形成する自己集合を利用すれば、回路のプリントをボトムアップの作業とすることが可能になる。ナノクリスタルのような微小な構造をチップに統合することも、以前に比べずいぶん実現性が高まっている。米Motorolaはナノクリスタルを含んだチップを発表しているが、このチップの製造にはプリント技術は使用されていない。

 IBMでは今から3〜5年先に、何らかの自己集合を採用したテスト生産を行なう予定だ。米NanoInkなどの新興企業も、同様の概念をテスト中だ。ウィスコンシン大学の研究者は今年、プリント技術で引いた直線上に、高分子を利用して素材を配置する技術をデモンストレーションしている。

 Blackによると、IBMの実験でパターンを形成した分子は、ダイブロック・コポリマーというものだという。ダイブロック・コポリマーは、通常の状況では反発しあう2種類の分子をくくりつけたものだ。研究者らは、分子の平衡力を利用して、分子の位置を制御している。

「最終的に、分子は美しいパターンを形成する」(Black)

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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