米Motorolaの研究部門であるMotorola Labsは米国時間7月1日、カーボンナノチューブ(CNT)を低温で形成する技術を開発したと発表した。この技術により、プラズマや液晶よりも高品質のディスプレイを、低コストで製造することが可能となり、大型平面ディスプレイを含むさまざまな目的に応用できるという。
CNTは、炭素原子が並んでできた直径1nm(10億分の1m)程度の細いチューブ。現在は基盤などの表面に塗布あるいは印刷し、半導体超集積回路の開発などに使用している。同社によれば、CNTを低温で形成する技術は、商業化の段階でガラスやトランジスタなど、熱に弱い素材に接着する際に、重要なものになるという。
MotorolaがNED(ナノ・エミッシブ・ディスプレイ)と呼ぶ技術によって、将来的に厚さ1インチのフラットパネルを使った50インチ以上の大型平面ディスプレイを、低価格で製造可能になるとしている。
また同社はCNTの長さや直径を制御するだけでなく、基盤上の任意の位置に正確に植付ける技術も開発したことを明らかにした。間隔、大きさ、長さを制御し、CNTを基板に直接、植付けることにより、平面ディスプレイの電子放出や輝度、色純度、解像度を最適化し、高品質の映像が実現するという。
なお、Motorolaは現在、欧州、日本、韓国の電機メーカーと協議中という。同技術の商業化に向けたライセンス契約の締結を目指している。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」