米IBMは、GUI(グラフィカル・ユーザー・インタフェース)構築用の高度な開発ツールをつくりだす取り組みとして、あるオープンソースプロジェクトにソースコードを寄付した。
ソフトウェアコンソーシアムの米Eclipseは、米国時間18日、IBMの提供するソースコードを利用してVisual Editor Projectというツールの土台となる部分を開発すると発表した。同プロジェクトの目的は、特注アプリケーションのGUIを作成する際に、ソフトウェアプログラマが使用する既存のツールパレットの機能を拡張することだ。
Eclipseは、IBMからの4000万ドルの資金を得て、2001年に発足したオープンソースのプロジェクトで、そのテクノロジーは、ソフトウェアにとっての共通の土台となる「フレームワーク」を提供する。このフレームワークのなかでは、多数のツールを単一のプログラミングアプリケーションに挿入でき、またこのアプリケーションのなかからそうしたツールが利用できるようになっている。たとえば、Eclipseのソフトウェアでは、単一のビューアから、コーディング、ソースコード管理やGUI作成用のさまざまなツールを扱うことができる。
Eclipseは、いくつかのプログラミング言語で使えるように設計されているが、最も重点が置かれているのはJavaである。Visual Editor Projectは、オープンソースの開発者らが提供した成果をひとつにまとめ、JavaをベースにしたGUIビルダーを開発することを目的にしている。これは、単一企業の持つ開発リソースだけでは達成できない事柄だと、Eclipseは説明している。
プロジェクトの出発点となるコードは、IBMのVisual Editor for Javaになるという。このツールは、同社のWebSphere Studioプログラミングツールで提供されている機能のサブセットだと、Visual Editor for Javaのプロジェクトマネジャー、Gili Mendelは述べた。
画面上のボタンやプルダウンメニューのようなグラフィック要素を自動的に生成するツールは、かなり前から存在している。だが、将来のGUIは米MacromediaのFlashフォーマットに似た洗練されたグラフィック要素や、バックエンドデータソースへの接続機能を持つものになるとMendelは話している。
EclipseでのVisual Editor Projectは、一部のEclipseメンバー--なかでもIBMと、もともとJavaを開発した米Sun Microsystemsとの間で長年交わされてきた議論に触れるものだ。これまでEclipseは、Standard Widget Toolkit (SWT)というテクノロジーをベースにしたGUI開発用ツールを提供してきた。SWTでは、開発者は各OSに固有の表示機能を利用できるようになっている。それに対して、Sunが支持するアプローチで、元々のJava仕様にも示されていたはSwingというツールで、これはOSの違いに関係なく同じ外観をつくれるというものだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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