オープンソースの開発ツールをつくるEclipseコンソーシアムが、もともと同団体を設立したIBMから独立し、Javaコミュニティの間に走る亀裂を修復するための組織変更を計画中だ。
Eclipseの会長を務めるIBM幹部のSkip McGaugheyによると、同組織は、このオープンソースツールプロジェクトの立ち上げ資金として4000万ドルを出資したIBMから独立すべく、会員モデルの改革を進めているという。
IBMをスポンサーから外すことで、EclipseはJavaを支持するほかのベンダー、すなわちIBMが支配するフォーラムへの参加に慎重だった米Sun Microsystemsを取り込みたい考えだ。McGaugheyによると、この変更は3カ月以内に実施されるという。
Eclipseプロジェクトは、「フレームワーク」として機能する単一アプリケーションや単一グラフィカルインタフェースの開発を進めている。デベロッパーはこれを通じてソースコードの作成、テスト、管理といった作業で、複数のツールを利用できる。Eclipse技術にはかなりの関心が集まっており、2年前の発足時に9社だった企業数は、現在50社近くにまで増えている。IBMでは、自社のJava開発ツールの基盤としてEclipseソフトウェアを採用している。
Sunはこれまで、技術面および政治面の両方の理由から、Eclipseへの参加を避けてきた。同社にもNetBeansという独自のオープンソースツール構想があり、これが多くの開発者を巡ってEclipseと競合/p>
する理由となっている。また、SunとIBMはJavaアプリケーション用のGUI構築に向けたアプローチが著しく異なるために、長年対立してきた。
Sunの関係者によると、Eclipseの組織変更が進んでいることから、同社では同オープンソースプロジェクトへの参加を検討中だという。Sunでは参加前に多数の問題への対応を望んでおり、この関係者によると、Javaアプリケーションの情報提示手法を巡る技術的問題の解決に加え、組織名の変更まで要求するかもしれないという。
たとえば、SunはBEA Systemsとともに、アプリケーションユーザーインタフェース構築にJava Abstract Windowing Toolkit(AWT)とSwing GUI(GUI)の両コンポーネントを使った手法を支持している。SunのNetBeansベースツールで採用されるAWT/Swingのアプローチは、オペレーティングシステムに関係なく同じ表示を実現する。一方のIBMは、Standard Widget Toolkit(SWT)というアプリケーションインタフェース構築のための代替手法をEclipseに実装している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス