米IBM、ローエンドUNIXサーバを強化--市場の死闘に拍車?

 米IBMは16日(米国時間)、ローエンドのUNIXサーバ「p615」に、より高速なプロセッサを搭載するとともに、自社のサーバをスーパーコンピューティングクラスタに加えるための新しいソフトウェアとハードウェアを発表した。

 同社のp615にはこれまで、1チップに2基のプロセッサコアを搭載した、Power4+チップの1.2GHzバージョンが搭載されていた。新製品には、予想通り1.45GHzチップが搭載され、同24日に出荷を開始しり予定。

 IBMによると、4Gバイトのメモリを搭載するシステムの価格は1万4495ドルで、IBM版のUNIX OS「AIX」が動作するが、同システムではLinuxも動作するいう。

 UNIXサーバ市場では、長い間米Sun Microsystemsが首位の座を占め、特にローエンドは同社の独占状態だった。IBMは、これまでその独占状態に挑戦し続け、Power4とPower4+プロセッサで全体的に成功を収めた。

 その結果、全面戦争ともいえる状態に突入した。「サーバベンダー各社は、価格で叩き合いをしている」と、Merrill Lynchのアナリスト、Steve Milunovichは15日に発表したレポートのなかで述べている。また、Sunも16日に価格引き下げと値引きによって、自社の粗利益が大幅に低下したことを明らかにした。

 Sunの最高経営責任者(CEO)、Scott McNealyは、電話会議のなかで、「市場は殺伐とした状態にある。エンタープライズサーバ市場は当分存続するだろうが、激戦が続くことは明らかだ」と語った。

 メインフレームより価格が手ごろで、またIAサーバより強力なUNIXサーバは、在庫管理や電子商取引を行うウェブサイトの運営などの目的に、長い間利用されてきた。ところが、当初はMicrosoft Windowsで動作し、今ではLinuxでも動作するIAサーバが、この分野を浸食しつつある。今年第2四半期には IAサーバの売上高が、Sun、IBM、およびHewlett-Packard(HP)が販売するRISC(縮小命令セット・コンピューティング)プロセッサを搭載するUNIXサーバのそれを上回っている。

 IBMがUNIXサーバで成功を収めてきている分野のひとつは、ハイパフォーマンスな技術計算の領域で、天候の予想や銀河の衝突のシミュレーション、あるいは航空機の空気抵抗のモデリングといったタスクを行うものだ。こうした問題は、ノードとよばれるマシンを複数使って分散処理されることが多く、時にはスイッチでつないだ数百台ものマシンが計算に使われることもある。

 IBMは16日、これらのノードを接続する新しいHigh Performance Switchを発表した。同社SPスイッチシリーズの最新モデルとなるこのスイッチは、前モデル比4倍のデータ転送能力を持つ。

 IBMによると、新スイッチはトップエンドのp690やミッドレンジのp655 UNIXサーバを最高16台接続することができ、2004年の中旬までには最高64台がサポートされるという。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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