サンフランシスコ発――米Sun Microsystemsは、Solarisオペレーティングシステム(OS)の次期バージョンで、サーバを多数の独立したパーティションに分割する方針を採用する計画だ。
同社は初めて、ハードウェアではなくソフトウェアでパーティションを作成するという方向に、移行する。2004年発売のSolaris 10では、「ゾーン」(zone)と呼ばれるソフトウェア技術が導入される予定だと、Sunのソフトウェアグループ責任者Jonathan Schwartzは、サンフランシスコで15日(米国時間)に開かれた記者会見で述べている。これは、タスクと呼ばれるコンピューティングプロセスのあるまとまりに対し、メモリなどのリソースへのアクセスを保証する、Solaris 9の「コンテナ」技術を拡張したものだ。
Kevlarという開発コード名のこのゾーン技術では、サーバは独立したセクションに効率よく分割され、それぞれのせクションが独自のOSを持つように振る舞い、個別に管理したり、再起動したりすることが可能になる、とSchwartzは述べた。
パーティションとは、顧客が1つのシステム上で複数のタスクをよりスムースに実行できるようにするもので、高価なメインフレームサーバで完成された技術だ。パーティションはリアルタイムに作成され、負荷要求の変化に応じてパーティションのサイズが変化するのが理想的とされている。
Schwartzによると、Sun のパーティション戦略には、競合企業の戦略と大きく異なる点が1つあるという。Solarisのパーティション機能は、Sun製のUltraSparcプロセッサを搭載したSunサーバだけでなく、米IntelのXeonや米Advanced Micro Devices(AMD)のOpteronなど、x86系プロセッサでも利用できる、とSchwartzは説明している。
この技術について、Schwartzは、(電気小売店の)Fry'sで買ったマシンでも、米Hewlett-Packard(HP)や米Dell Computerなどのメーカーのサーバでも機能すると述べた。「Solaris-Sparcの技術革新は全て、Solaris-OpteronやSolaris-x86にも同時追加される」(Schwartz)
ゾーン技術は、便利だがIntelサーバではなかなか得られない機能を提供することから、顧客がx86プロセッサで動くSolarisを採用する魅力的な理由となるだろう。Solarisのx86プロセッサ用バージョンは、Sun内部ですでに勢いを無くしており、同社のLinux製品よりも売れ行きが悪くなっている。
米IBMやHPは現在、VMwareソフトウェアを使ったIntelサーバでのパーティション機能を提供している。VMwareは、別々のパーティションでLinuxやMicrosoft Windowsを稼動できるソフトウェアだ。また、Microsoftは現在、米Connectix買収によって獲得したパーティション技術に取り組んでいる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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