「改心」して再登場- ナップスター2.0、オリジナルの面影は少なく

 新生Napsterが9日朝(米国時間)、その姿を現した。ファイル交換サービス界のかつての覇者が破産裁判所で切り売りされてから、1年の歳月が流れていた。

 新しいデジタル音楽サービスの所有者は、CDおよびDVD関連ソフトウェアを開発する米Roxioである。新Napsterのサービスには、秩序無く運営されていた旧Napsterとの類似点がほとんどなく、むしろ、米Apple ComputerのiTune Music Storeと米Pressplayの契約者向けのデジタル音楽配信サービスを掛け合わせたようなものという印象を与える。なお、Pressplayは、RoxioがNapsterの商標を500万ドルで購入後、すぐに買収した企業だ。

 競合するデジタル音楽ストアの数が増える中で、ライバル企業と同様、新Napsterも、同社の無料ソフトウェアをダウンロードした全ユーザーに、シングル曲のダウンロードを1曲99セントで提供する予定だ。また、ユーザーは月10ドルを支払い、曲数制限無しでストリームやダウンロードしたファイルを聴くこともできる。但し、後者については、ダウンロードした楽曲の取り扱いに関して、ユーザーはより多くの制限を受ける。

 Roxioは、Napsterというブランド名とお馴染みのロゴ(イヤホンをつけた子猫)の力で、ユーザーの関心を再度呼び起こし、財布の口を開かせることに賭けている。しかし、アナリストたちは、過去を懐かしんでいる多数のオンライン音楽愛好家の注目はすぐに集まるだろうが、当初の好奇心を利益を生むビジネスへと変えていくには時間がかかるだろうと言う。

 Napsterには、契約型の音楽配信モデル、つまりユーザーが無制限の数の音楽ソフトに対して制限付きのアクセス権を持ち、一曲毎の料金は払わないというモデルは、欲しい楽曲は全て無料で入手できるのが普通だった、音楽市場のなかの特定の分野で大きな反響を得るはずだとの思惑もある。

 Roxioの最高経営責任者(CEO)のChris Gorogは、「Napsterはオンラインミュージック(配信)というジャンルを生み出した。そして私たちは、Napster 2.0でオンラインミュージックを一新させる」と語った。「Napster 2.0は、明らかに世界で最も完成度が高く、包括的な音楽サービスだ」(Gorog)

 またRoxioは、新サービスのコンサルタントを努めた旧Napsterの創始者Shawn Fanningを、発表会見に同席させていた。

  Fanningは「Napster 2.0を利用してみたが、本当に素晴しいサービスだ」と語った。「コミュニティー機能や新曲検索ツールも備えているが、これらは旧Napsterの経験上とても大切な要素だったものだ」(Fanning)

 一曲毎に課金する制度と月額制のハイブリッドであるこの契約型モデルは、新サービスにとって貴重な実験の場を提供するだろうと、アナリストは述べている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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